サンケイリアルエステート投資法人

1部 ファンド情報

1章 ファンドの状況

1. 投資法人の概況

1) 主要な経営指標等の推移

  • (1)【主要な経営指標等の推移】

     

    ① 主要な経営指標等の推移

    期別

    第5期

    第6期

    第7期

    第8期

    第9期

    決算年月

    2021年8月

    2022年2月

    2022年8月

    2023年2月

    2023年8月

    営業収益(注1)

    百万円

    2,176

    2,778

    3,028

    2,891

    2,751

    (うち不動産賃貸事業収益)

    百万円

    (2,176)

    (2,778)

    (3,028)

    (2,891)

    (2,586)

    営業費用

    百万円

    1,034

    1,237

    1,397

    1,648

    1,416

    (うち不動産賃貸事業費用)

    百万円

    (793)

    (972)

    (1,076)

    (1,338)

    (1,110)

    営業利益又は営業損失(△)

    百万円

    1,141

    1,540

    1,630

    1,243

    1,334

    経常利益又は経常損失(△)

    百万円

    1,014

    1,392

    1,476

    1,077

    1,130

    当期純利益又は当期純損失(△)

    百万円

    1,014

    1,391

    1,475

    1,076

    1,129

    出資総額(純額)(注4)

    百万円

    36,540

    49,435

    49,435

    49,435

    49,435

    発行済投資口の総口数

    356,800

    467,099

    467,099

    467,099

    467,099

    純資産額

    百万円

    37,555

    50,827

    50,910

    50,512

    50,565

    (対前期比)

    (△0.0)

    (+35.3)

    (+0.2)

    (△0.8)

    (+0.1)

    総資産額

    百万円

    79,848

    106,523

    106,553

    105,828

    112,235

    (対前期比)

    (+0.5)

    (+33.4)

    (+0.0)

    (△0.7)

    (+6.1)

    有利子負債総額

    百万円

    37,800

    50,600

    50,200

    50,200

    57,000

    1口当たり純資産額(注3)

    105,255

    108,814

    108,993

    108,140

    108,253

    1口当たり当期純利益又は当期純損失(△)(注2)

    2,841

    2,983

    3,158

    2,304

    2,418

    分配金総額

    百万円

    1,021

    1,391

    1,475

    1,076

    1,129

    1口当たり分配金額

    2,862

    2,979

    3,158

    2,305

    2,418

    (うち1口当たり利益分配金)

    (2,842)

    (2,979)

    (3,158)

    (2,305)

    (2,418)

    (うち1口当たり利益超過分配金)

    (20)

    (-)

    (-)

    (-)

    (-)

    総資産経常利益率(注3)

    1.3

    1.5

    1.4

    1.0

    1.0

    (年換算値)

    (2.5)

    (3.0)

    (2.7)

    (2.0)

    (2.1)

    自己資本利益率(注3)

    2.7

    3.1

    2.9

    2.1

    2.2

    (年換算値)

    (5.4)

    (6.3)

    (5.8)

    (4.3)

    (4.4)

    自己資本比率(注3)

    47.0

    47.7

    47.8

    47.7

    45.1

    (対前期増減)

    (△0.3)

    (+0.7)

    (+0.1)

    (△0.0)

    (△2.7)

    配当性向(注3)

    100.0

    100.0

    100.0

    100.0

    100.0

    [その他参考情報]

     

     

     

     

     

     

    当期運用日数

    184

    181

    184

    181

    184

    期末投資物件数

    12

    14

    14

    14

    15

    減価償却費

    百万円

    228

    306

    309

    296

    320

    資本的支出額

    百万円

    57

    73

    83

    212

    219

    賃貸NOI(Net Operating Income)(注3)

    百万円

    1,610

    2,112

    2,260

    1,849

    1,797

    FFO(Funds from Operation)(注3)

    百万円

    1,242

    1,698

    1,785

    1,372

    1,286

    1口当たりFFO(注3)

    3,482

    3,635

    3,821

    2,938

    2,753

    期末総資産有利子負債比率(LTV)(注3)

    47.3

    47.5

    47.1

    47.4

    50.8

     

     

    期別

    第10期

    第11期

    第12期

    第13期

    第14期

    決算年月

    2024年2月

    2024年8月

    2025年2月

    2025年8月

    2026年2月

    営業収益(注1)

    百万円

    7,778

    2,461

    2,516

    2,611

    2,882

    (うち不動産賃貸事業収益)

    百万円

    (2,361)

    (2,461)

    (2,516)

    (2,567)

    (2,882)

    営業費用

    百万円

    6,548

    1,161

    1,163

    1,264

    6,205

    (うち不動産賃貸事業費用)

    百万円

    (1,141)

    (848)

    (839)

    (926)

    (947)

    営業利益又は営業損失(△)

    百万円

    1,229

    1,299

    1,352

    1,347

    △3,323

    経常利益又は経常損失(△)

    百万円

    1,038

    1,107

    1,145

    1,103

    △3,564

    当期純利益又は当期純損失(△)

    百万円

    1,037

    1,106

    1,144

    1,102

    △4,009

    出資総額(純額)(注4)

    百万円

    49,435

    49,435

    49,435

    49,435

    49,435

    発行済投資口の総口数

    467,099

    467,099

    467,099

    467,099

    467,099

    純資産額

    百万円

    50,473

    50,542

    50,580

    50,538

    45,426

    (対前期比)

    (△0.2)

    (+0.1)

    (+0.1)

    (△0.1)

    (△10.1)

    総資産額

    百万円

    104,802

    104,878

    105,093

    104,898

    99,348

    (対前期比)

    (△6.6)

    (+0.1)

    (+0.2)

    (△0.2)

    (△5.3)

    有利子負債総額

    百万円

    50,200

    50,200

    50,200

    50,200

    49,500

    1口当たり純資産額(注3)

    108,056

    108,204

    108,286

    108,196

    97,251

    1口当たり当期純利益又は当期純損失(△)(注2)

    2,220

    2,369

    2,450

    2,361

    △8,583

    分配金総額

    百万円

    1,037

    1,106

    1,144

    1,102

    -

    1口当たり分配金額

    2,221

    2,369

    2,451

    2,361

    0

    (うち1口当たり利益分配金)

    (2,221)

    (2,369)

    (2,451)

    (2,361)

    (0)

    (うち1口当たり利益超過分配金)

    (-)

    (-)

    (-)

    (-)

    (-)

    総資産経常利益率(注3)

    1.0

    1.1

    1.1

    1.1

    △3.5

    (年換算値)

    (1.9)

    (2.1)

    (2.2)

    (2.1)

    (△7.0)

    自己資本利益率(注3)

    2.1

    2.2

    2.3

    2.2

    △8.4

    (年換算値)

    (4.1)

    (4.3)

    (4.6)

    (4.3)

    (△16.9)

    自己資本比率(注3)

    48.2

    48.2

    48.1

    48.2

    45.7

    (対前期増減)

    (+3.1)

    (+0.0)

    (△0.1)

    (+0.0)

    (△2.5)

    配当性向(注3)

    100.0

    100.0

    100.0

    100.0

    -

    [その他参考情報]

     

     

     

     

     

     

    当期運用日数

    182

    184

    181

    184

    181

    期末投資物件数

    16

    17

    17

    16

    16

    減価償却費

    百万円

    315

    317

    320

    324

    319

    資本的支出額

    百万円

    111

    81

    110

    83

    147

    賃貸NOI(Net Operating Income)(注3)

    百万円

    1,535

    1,930

    1,997

    1,965

    2,254

    FFO(Funds from Operation)(注3)

    百万円

    995

    1,425

    1,466

    1,383

    △3,688

    1口当たりFFO(注3)

    2,131

    3,051

    3,139

    2,961

    △7,897

    期末総資産有利子負債比率(LTV)(注3)

    47.9

    47.9

    47.8

    47.9

    49.8

     

    (注1)営業収益等には消費税等は含まれていません。

    (注2)1口当たり当期純利益又は当期純損失(△)は、当期純利益又は当期純損失(△)を日数による加重平均投資口数(第5期356,800口、第6期466,286口、第7期467,099口、第8期467,099口、第9期467,099口、第10期467,099口、第11期467,099口、第12期467,099口、第13期467,099口、第14期467,099口)で除することにより算定しています。

     

    (注3)記載した指標は以下の算定式により算出しています。なお、第14期の配当性向については、1口当たり当期純損失であるため記載していません。

    1口当たり純資産額

    純資産額÷発行済投資口の総口数

    総資産経常利益率

    経常利益又は経常損失(△)÷{(期首総資産額+期末総資産額)÷2}×100

    自己資本利益率

    当期純利益又は当期純損失(△)÷{(期首純資産額+期末純資産額)÷2}×100

    自己資本比率

    期末純資産額÷期末総資産額×100

    配当性向

    分配金総額(利益超過分配金を含まない)÷当期純利益×100

    賃貸NOI(Net Operating Income)

    不動産賃貸事業収益-不動産賃貸事業費用+減価償却費

    FFO(Funds from Operation)

    当期純利益又は当期純損失(△)+減価償却費-不動産等売却損益

    1口当たりFFO

    FFO÷発行済投資口の総口数

    期末総資産有利子負債比率(LTV)

    期末有利子負債残高÷期末総資産額×100

    (注4)出資総額から出資総額控除額を差し引いた金額を記載しています。

    (注5)本書において特に記載する場合を除き、記載未満の数値について、金額は切り捨て、比率は四捨五入により記載しています。

     

    ② 運用状況

    (ア)当期の概況

    a. 本投資法人の主な経緯

    本投資法人は、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号、その後の改正を含みます。以下「投信法」といいます。)に基づき、株式会社サンケイビル・アセットマネジメント(以下「本資産運用会社」といいます。)を設立企画人、株式会社サンケイビル(以下「サンケイビル」又は「スポンサー」といいます。)をスポンサーとして、2018年11月19日に出資金100百万円(1,000口)で設立され、2018年12月17日に投信法第187条に基づく関東財務局への登録が完了しました(登録番号 関東財務局長 第140号)。その後、本投資法人は、2019年3月12日に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)不動産投資信託証券市場に上場しました(銘柄コード2972)。

    2023年10月、本投資法人は本資産運用会社の運用ガイドラインの一部変更により、オフィスビル中心型REITから総合型REITへと転換しました。

    当期末日(2026年2月28日)現在における発行済投資口の総口数は467,099口、出資総額(純額)は49,435百万円となっています。

     

    b. 運用環境

    当期(2026年2月期)における日本経済は、米国の通商政策の影響が残るものの、緩やかな回復基調を維持しています。消費者物価はこのところ上昇テンポが緩やかになっており、雇用・所得環境の改善もあって、個人消費は持ち直しの動きがみられます。株式市場では、米国でインフレ鈍化を背景にFRBの利下げ期待が高まり、米国株は上昇しました。一方、日本では政府の積極財政や企業業績改善への期待から海外投資家の買いが広がり、日経平均株価は2月下旬に史上最高値を更新しました。東証REIT指数は、相対的に緩和的な金融環境とインフレ定着による不動産収入改善期待を背景に緩やかに上昇しました。

    このような経済環境下で、本投資法人が主たる投資対象とするオフィスビル市場については、人材確保の強化を目的とした需要や業容拡大に伴う需要を背景とした移転拡張やグレードアップ移転、分室開設等が幅広い業種で散見されました。本投資法人の運用資産の多くが所在する東京オフィスビル市場においては、個別の地域差等はみられつつも、空室率は低水準にあり、賃料水準は上昇基調にあります。但し、物件の立地やグレードによっては、空室期間が長期化する等、まちまちの状況を呈しています。

    本投資法人は中核的アセット群(注)のうち、現在、ホテル市場及び物流市場への投資を行っています。このうちホテル市場については、日本政府観光局による訪日外客統計(推計値)によると、2025年の訪日外客数は4,268万人となり、過去最高であった2024年の訪日外客数(3,687万人)を580万人以上上回る等、堅調に推移しました。物流市場については、輸送効率向上や労働力確保の観点から立地優位性が高いハイスペック物件では賃料が上昇し、供給過多にあった首都圏外縁部の物件では空室消化が進んでいます。

    (注)「中核的アセット群」とは、ホテル・物流施設・住居系施設(住宅・学生レジデンス・ヘルスケア施設等、居住等の機能を有する用途)をいいます。

     

    c. 運用実績

    本投資法人は、当期において資産の取得及び売却を行っていません。本投資法人の当期末日現在のポートフォリオは、物件数16物件、資産規模(取得価格(注1)合計)93,938百万円と、前期より変更ありません。

    当期末日現在における運用実績(保有16物件)は、稼働率(注2)81.7%となりました。営業収益は前期に計上した不動産等売却益44百万円が当期においては計上されない一方、「福岡グリーンビルディング」(注3)におけるテナントとの合意解約に伴う解約違約金582百万円が計上されたことにより、前期比10.3%増の2,882百万円となりました。また、当期末日現在における鑑定評価額は96,660百万円となりました。

    本投資法人は、運用資産について、収入拡大と運用収益の安定的な成長を目指し、従前同様、既存テナントとのリレーションの強化・充実を図りながら満足度向上に努めました。更改期を迎える既存テナントに対しては、現在のインフレ環境における賃貸市場及び賃料水準の動向を丁寧に説明することで、賃料の増額改定実績を着実に積み上げました。なお、修繕及び資本的支出については、運用資産の競争力の維持・向上に資するものに絞り込み実施しました。

    また、本投資法人の保有するホテル6物件のうち、固定賃料を採用している3物件(「ホテルインターゲート東京 京橋」、「ホテルインターゲート広島」及び「ベッセルホテルカンパーナすすきの」)によりポートフォリオ収益の安定性を確保しつつ、固定賃料と変動賃料を併用している3物件(「ホテルインターゲート京都 四条新町」、「ホテルインターゲート金沢」及び「グリッズプレミアムホテル大阪なんば」)においては、インバウンドの需要拡大、客室稼働率と客室平均単価の上昇等、市況に応じて収益性の向上に寄与するものと期待されます。

    物流市場については、流通の活発化に加え、「2024年問題」を契機とした物流網整備の必要性からも、物流施設への需要は着実に拡大してきています。本投資法人は今後とも当該分野での運用実績を積み重ね、プレゼンスの向上に努めます。

    また、本投資法人は、本資産運用会社の運用ガイドラインにおける「サステナビリティ方針」のもと、本資産運用会社とともに、社会の持続可能性(サステナビリティ)及び中長期的な投資主価値の向上を目的として、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を意味する「ESG」に配慮した運用に継続的に取り組んでいます。

    本投資法人は延べ9物件の運用資産で12件の環境認証(DBJ Green Building認証(注4)7件、BELS(注5)評価5件)を取得しているほか、投資法人としてGRESBリアルエステイト評価(注6)について2スター及びGreen Starを取得しています。

    (注1)「取得価格」及び「譲渡価格」は、本投資法人の保有する資産(不動産又は不動産を信託財産とする信託受益権。以下総称して「運用資産」といいます。)に係る各売買契約に記載された各不動産及び信託受益権の売買代金を、百万円未満を切り捨てて記載しています。なお、売買代金には消費税及び地方消費税並びに取得又は譲渡に要する諸費用を含みません。以下同じです。

    (注2)「稼働率」は、総賃貸可能面積に対して総賃貸面積が占める割合を示していて、小数第2位を四捨五入して記載しています。なお、総賃貸可能面積及び総賃貸面積は、各運用資産の本投資法人の持分に相当する面積よりそれぞれ合計を算出しています。

    (注3)2026年2月1日付で運用資産の名称を「日立九州ビル」から「福岡グリーンビルディング」に変更しています。以下同じです。

    (注4)「DBJ Green Building認証」とは、環境・社会への配慮がなされた不動産(「Green Building」)を支援するために、2011年4月に日本政策投資銀行(DBJ)が創設した認証制度です。対象物件の環境性能に加えて、防災やコミュニティへの配慮等を含む様々なステークホルダーへの対応を含めた総合的な評価に基づき、社会・経済に求められる不動産を評価・認証し、その取り組みを支援しています。

    (注5)「BELS」とは、 Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略称です。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成27年法律第53号、その後の改正を含みます。)(建築物省エネ法)において、不動産事業者等は建築物の省エネルギー性能を表示するよう努めることが求められています。BELSは、国土交通省が定めた評価基準に基づいて第三者機関が建築物の省エネルギー性能を評価する制度です。

    (注6)GRESBリアルエステイト評価とは、不動産セクターの会社・ファンド単位でのESG配慮を測り、投資先の選定や投資先との対話に用いることを目的として創設された、国際的な投資のベンチマークとなっている認証制度です。

     

    d. 資金調達の概要

    当期においては、2025年9月2日に返済期限が到来した長期借入金6,200百万円の返済に充当するため、同日付で株式会社みずほ銀行及び株式会社三井住友銀行をアレンジャーとするシンジケートローンにより、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、みずほ信託銀行株式会社、三井住友信託銀行株式会社、株式会社SBI新生銀行、株式会社りそな銀行、株式会社西日本シティ銀行、株式会社千葉銀行及び株式会社関西みらい銀行から5,500百万円の借入れを行いました。

    この結果、当期末日現在における借入金残高は49,500百万円となり、総資産のうち有利子負債が占める割合(以下「LTV」といいます。)は49.8%となりました。

    また、本投資法人は当期末日現在において、株式会社日本格付研究所(JCR)の長期発行体格付「A+」(格付の見通し:安定的)を取得しています。今後とも、適切かつ健全な財務運営を行い、信用力の向上に努めます。

     

    e. 業績及び分配の概要

    上記の運用の結果、当期の業績は、営業収益2,882百万円、営業損失3,323百万円、経常損失3,564百万円、当期純損失4,009百万円となりました。当期においては、「福岡グリーンビルディング」について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(4,933百万円)として営業費用の区分に計上しています。

    分配金については、本投資法人の定める金銭の分配の方針(規約第36条)に従い、投資法人に係る課税の特例(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)第67条の15)の適用により、利益分配金の最大額が損金算入されることを企図していますが、当期においては損失を計上する結果となったため、分配を行いません。これに伴い、法人税等として445百万円を計上しています。

    当期未処理損失の額である4,009百万円については、投信法第136条第2項に定める無償減資を行い、出資総額等から控除することにより処理します。なお、無償減資は、払戻しを行わないため発行済投資口の総口数に変更はありません。

     

    (イ)今後の見通し

    a. 運用全般に関する見通し

    雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が日本経済の緩やかな回復を支えることが期待されますが、中東情勢の緊迫化を受けた今後の物価動向や米国の通商政策をめぐる動向等の景気を下押しするリスクに留意が必要です。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要があります。

    不動産売買市場では、国内金利が上昇する状況下においても、国内外投資家の旺盛な投資意欲を背景に、引き続き高水準の取引高が見込まれています。賃料の成長率が金利上昇を上回る都心部のオフィスビルをはじめ、新規物件の取得には厳しさが続きます。

    オフィスビル市場については、人材確保の強化を目的とした需要に加え、業容拡大に伴う拡張移転等の需要により、東京都心部の空室率は低水準にあり、賃料水準は上昇基調が継続しています。しかしながら、物件の立地やグレードによっては、空室期間が長期化する等、物件ごとの細やかなリーシング方針を構築する必要があります。今後は、人手不足や建築費の高騰で新規物件の供給が遅れ需要過多にある東京都心部のオフィス市場の動向が、周辺部にも波及していくのか等、引き続き市場動向を注視していきます。

    ホテル市場については、旅行業界大手の株式会社JTBによると、多くの国・地域からの訪日外国人旅行者数は増加するものの、これまでのコロナ禍からの回復過程で見られた成長率には届かず、中国・香港からの需要減により、2026年の訪日外国人旅行者数は4,140万人となり、2025年の訪日外国人旅行者数(4,260万人)をわずかに下回ると予測されています。固定賃料を採用しているホテル3物件については、安定的な収益を見込んでいるほか、固定賃料と変動賃料を併用しているホテル3物件については、市況に応じた収益の向上が見込まれます。

    物流市場については、EC市場の拡大や底堅い需要に支えられ、更なる市場の活性化が見込まれるほか、いわゆる「2024年問題」への対応として物流拠点の拡充も図られる等、引き続き安定した成長が見込まれています。2026年3月には、ドライバーの負担軽減を図りつつ物流を維持するため、一つの長距離輸送を複数のドライバーで分担する中継輸送を推進することを内容とした法律案が閣議決定されており、これにより中継輸送施設の整備が促進される見通しです。本投資法人の保有している施設は立地優位性が高い場所に所在し、入居テナントとの間で定期建物賃貸借契約に基づく固定賃料としていますので、安定的収益を見込んでいます。

    なお、本投資法人が2026年4月1日付で別途公表いたしました「(開示事項の経過)テナントの異動(主要取引先との貸借の解消(一部を除く))に関するお知らせ(福岡グリーンビルディング)」に記載のとおり、「福岡グリーンビルディング」の原状回復工事及びマルチテナント向けの仕様変更のためのリニューアル工事につき、建築コストの増加並びに人手不足及び資材不足の影響から工事発注にいたっていない状況でしたが、今般、2026年8月期(2026年3月1日~2026年8月31日)中に本工事の一部について完了する発注の目途がつきました。本書の日付現在、「福岡グリーンビルディング」についてリテナント又は売却の具体的予定はありませんが、引き続き、リテナント及び売却の検討を進めております。なお、2027年2月期(2026年9月1日~2027年2月28日)については、「福岡グリーンビルディング」に関し、2026年2月期(2025年9月1日~2026年2月28日)における解約違約金582百万円の収受や、2026年8月期(2026年3月1日~2026年8月31日)における原状回復工事精算金収入等1,419百万円の収受に相当する収益の予定はありません。

     

    ⅰ.外部成長戦略

    本投資法人は、2023年10月に実施した運用ガイドラインの一部変更を通じて、大規模なポートフォリオ リバランスを実施し、オフィス中心型REITから総合型REITへの転換を果たしました。

    今後もサンケイビルのスポンサーサポートを最大活用し、サンケイビルのポートフォリオはもとより、サンケイビルのソーシング力を活かした第三者保有物件の取得による外部成長を持続していきます。さらに、エリアや利回りといったポートフォリオ・マトリクスのバランスを意識した分散投資を実践し、ポートフォリオの収益性と安定性の向上に努めていきます。

     

    ⅱ.内部成長戦略

    本投資法人は、既存テナントとのリレーションの強化、テナント満足度の向上を掲げ、着実な内部成長を目指します。具体的には、マーケット賃料との乖離が著しい場合は、賃貸借契約の更改における賃料増額改定を試みることはもちろん、建物管理にかかる諸費用の増加などを考慮し、マーケット賃料との乖離がそれほどみられない場合であっても、テナントの理解を得ながら増額改定に取り組んでまいります。加えて、テナントからの解約予告期間を従来の期間より延ばす取り組みや複数テナントの賃貸借契約終了時期が重なる物件について退去リスクの観点から賃貸借契約終了時期の分散化を図る取り組み等、戦略的リーシングを引き続き行います。また、顧客満足度調査の実施や衛生面の品質向上、計画的な維持・修繕の実施等、テナント満足度向上についても引き続き積極的に取り組んでいきます。

    本投資法人は、サンケイビルを中核とするサンケイビルグループ内での連携を通じて、不動産の企画・開発から、テナント誘致、運営管理に至るまで、サンケイビルグループの総合的な運営管理機能を活用します。

    また、本投資法人は、運用資産について、収入拡大と運用収益の安定的な成長を目指すため、以下の施策等を実行します。

    (A)運用資産の稼働率及び賃料の維持・向上を図るべく、テナント満足度を維持・向上させるため、テナントとのリレーションの強化・充実を図りながらテナントに快適にご利用いただけるようサービスの提供に努めます。

    (B)運用資産の状態、特性、不動産市況及びテナントニーズ等を考慮し、精査をしたうえで、修繕及び資本的支出の計画・実施を行い、運用資産の市場における競争力の維持・向上を図ります。

    (C)賃貸市場動向を継続的に把握し、機動的なリーシング活動を行うことで、収益の維持・向上に努めます。

    (D)運用資産の運営の妥当性、管理水準及びコストを定期的に検証し、運営管理コストの低減と環境配慮への継続的な取り組みを行います。実施に当たっては運用資産の市場における競争力やテナント満足度の維持・向上の観点とのバランスを考慮します。

    (E)運用資産の環境負荷低減や外部のステークホルダーとの協働等、ESGに配慮した運用を行います。

     

    ⅲ.財務戦略

    本投資法人は、運用資産の中長期にわたる安定した収益の確保と着実な成長のために、財務活動の機動性及び資金繰りの安定性等に留意しつつ、適切かつ健全な財務運営を行います。

    また、財務健全性の確保のため、LTVは、原則として60%を上限とすることを基本方針とし(但し、新たな資産の取得等のために、一時的に上限のLTVの範囲を超えることができるものとします。)、巡航水準では40~50%程度を維持していく方針です。

    (A)エクイティ・ファイナンス

    新投資口の発行は、資本市場の動向、金融環境、新たに取得する不動産等の取得時期、総資産に対する有利子負債の比率等を総合的に勘案のうえ、投資口の希薄化にも配慮しつつ機動的に行います。

    (B)デット・ファイナンス

    借入れ等に際しては、金利動向、マーケット水準、財務の機動性、長期取引関係及び安全性のバランスを総合的に勘案し、借入期間、固定又は変動の金利形態、担保提供の要否及び手数料等の有利子負債調達条件を検討したうえで、適切な資金調達を行います。

     

     

    b. 決算後に生じた重要な事実

    1.テナントの異動(主要取引先との貸借の解消(一部を除く))に伴う一時金の収受

    2026年2月期に発生した「福岡グリーンビルディング」における入居テナントとの賃貸借契約の合意解約に伴い、2026年8月期に原状回復工事精算金収入等1,419百万円を計上しています。

     

    2.無償減資

    本投資法人は、投信法第136条第2項の規定に基づき、「福岡グリーンビルディング」に係る減損損失の計上等により発生した2026年2月期の未処理損失の額について、出資総額等から控除して処理すること(以下「本無償減資」といいます。)につき、2026年4月28日開催の本投資法人役員会において決議しました。

    (ア)控除の目的

    「福岡グリーンビルディング」に係る減損損失の計上等により、2026年2月期に計上した損失を翌期に繰り越さず、2026年8月期以降は利益分配が可能な状態にするためです。

    (イ)減少すべき出資総額等の額

    2026年2月期における未処理損失の額 4,009百万円

    (ウ)控除の方法

    払戻しを行わない無償減資とし、発行済投資口の総口数に変更はありません。また、上記(イ)の減少額について、出資総額等の額から控除します。なお、本無償減資は、投信法第136条及び第131条第2項に基づき、本投資法人役員会による計算書類等に係る承認をもって効力が発生しています。

    (エ)減少等のスケジュール

    2026年2月期の金銭の分配に係る計算書にて、出資総額等から控除して処理します。

     

    (参考情報)

    Tiger投資事業有限責任組合及びLion投資事業有限責任組合による本投資法人の投資口に対する公開買付け

    本投資法人は、Tiger投資事業有限責任組合及びLion投資事業有限責任組合(以下「公開買付者ら」といいます。)による本投資法人の投資口に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して、2026年1月6日開催の本投資法人役員会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本投資法人投資口を保有する投資主の皆様に対して本公開買付けに応募することを推奨することを決議し、その後、公開買付者らによる買付条件等の変更後においても、本投資法人は、2026年2月19日、2026年3月6日及び2026年3月23日開催の本投資法人役員会において、かかる買付条件等の変更後も引き続き、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本投資法人投資口を保有する投資主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を維持することを決議しておりましたが、本公開買付けは2026年5月18日に不成立で終了しました。