1部 ファンド情報
1章 ファンドの状況
1. 投資法人の概況
1) 主要な経営指標等の推移
(1)【主要な経営指標等の推移】
① 主要な経営指標等の推移
(注1)本投資法人の計算期間は、毎年3月1日から8月末日まで及び9月1日から翌年2月末日までの各6ヶ月間です。
(注2)特に記載のない限り、いずれも記載未満の数値については切り捨て、比率は小数第二位を四捨五入して表示しています。但し、稼働率については、四捨五入した結果が100.0%となる場合においては、小数第二位未満を切り捨てて99.9%と記載しています。
(注3)出資総額から出資総額控除額を差し引いた金額を記載しています。なお、一時差異等調整引当額に係る利益超過分配の実施に伴う出資総額の変動は考慮していません。
(注4)記載した指標は、以下の算定式より算出しています。
(注5)当期運用日数は不動産及び信託不動産の実質的な運用を行った日数を記載しています。
(注6)第27期より損益計算書の表示方法の変更を行っており、第26期の経常利益、総資産経常利益率及びその年換算値については、表示方法の変更を反映させた組替後の数値となっています。
② 事業の状況
A.当期の概況
(イ)投資法人の主な推移
GLP投資法人(以下「本投資法人」といいます。)は、主として先進的物流施設に投資する物流施設特化型のJ-REITです。本投資法人は、「投資信託及び投資法人に関する法律」(以下「投信法」といいます。)に基づきGLPジャパン・アドバイザーズ株式会社(以下「資産運用会社」といいます。)を設立企画人として設立され、2012年12月21日に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)不動産投資信託証券市場に上場(銘柄コード3281)しました。
本投資法人は、日本GLP株式会社(注)をスポンサーとし、その豊富なノウハウ及び経営資源等を活用し、先進的物流施設を主たる投資対象とすることで、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指しています。上場後の2013年1月に30物件、取得価格合計208,731百万円で運用を開始して以降、継続的な物件取得により着実な資産規模の拡大を実現しており、当期末時点で本投資法人が保有する資産は85物件、取得価格合計869,529百万円となっています。
(注)日本GLP株式会社は2025年3月1日付でアレス・マネジメント・コーポレーション(ニューヨーク証券取引所:ARES)の一員となりました。
(ロ)投資環境と運用実績
当期における日本経済は、物価上昇を背景とした企業収益の底堅さや賃上げの継続による個人消費の持ち直しを受け、実質GDPは緩やかな成長を維持し、景気の回復基調が続いております。一方、長期金利は、財政運営を巡る不透明感が意識される場面もみられる中、日銀の金融政策運営や長期国債買入れの動向、物価・賃金情勢、海外金利動向等、複数の要因を背景に年初以降高水準で推移しています。
資本市場環境においては、2025年後半にかけて、J-REIT各社がインフレ率や金利上昇を上回る賃料成長を行うことへの期待感を背景に、収益成長期待が高まり、バリュエーションの回復が進展しました。この結果、投資家需要は改善傾向で推移し、東証REIT指数も底堅く推移しました。一方で、2026年初以降は、国内金利の先行きに対する上昇懸念や地政学リスクの高まりを受け、マーケットはやや弱含む展開となっています。こうした環境下においては、賃料成長の持続性に加え、資本効率改善の動きや負債コスト上昇を踏まえた資金調達の安定性なども勘案した見方が広がりつつあり、各社の中長期的な賃料成長力と規律のある財務運営がより重視される局面にあると認識しております。
先進的物流施設の賃貸市場においては、電子商取引企業(EC)及びサードパーティロジスティクス(3PL)事業者等による新規拡張や拠点集約・統合等の流れや、人手不足やサプライチェーンの効率化といった物流業界が直面する経営課題への対応を背景とした需要が引き続き強い状況が続いております。堅調な需要の一方、先進的物流施設の空室率は、2025年12月末時点で首都圏8.0%、近畿圏4.2%と、首都圏においては空室率が改善局面に入り、建築費高騰の影響などを背景に新規供給量は縮小していく見通しであることから今後も空室率は改善が進んでいくことが期待されます(注1)。
物流不動産取引市場では、底堅い需要、安定した賃料収入の見通し等を背景に、国内及び海外の機関投資家の投資意欲は依然として強い状況が継続しています。このような市況において、2025年10月31日にスポンサー開発物件であるGLP栗東湖南(鑑定評価額12,800百万円、取得価格11,500百万円)を取得しました。当該物件は全リースにCPI連動条項を有しており、インフレ環境下におけるポートフォリオの成長力強化に資する物件取得となります。また、本投資法人は、ポートフォリオのクオリティ向上及び、投資主への含み益還元を目的として、GLP郡山Ⅲ(譲渡価格:3,256百万円、売却益:696百万円(注2))及びGLP柏Ⅱ(譲渡価格:10,905百万円、売却益:2,899百万円(注2))にかかる信託受益権をそれぞれ2025年9月1日及び2025年10月31日付で譲渡しました。
内部成長の観点では、スポンサーのリーシングチームと協働し、テナントの需要をきめ細かく捉えることで、上場来27期連続での賃料増額を達成しています。また、インフレ圧力が高まる環境において、リース契約に設けたCPI連動条項を活用し、リース契約の更新期のみならず契約期間中においても賃料増額を実現しており、ポートフォリオの90%超の契約がインフレ耐性のある契約であることを強みに、今後も内部成長を拡大させてまいります。
上記の取組み及びスポンサーの強力なサポートの結果、当期末の保有物件は85物件(取得価格合計869,529百万円)、当期末時点のポートフォリオ稼働率は97.7%と高い水準を維持しています。なお、当期末の鑑定評価額合計は1,136,630百万円となっており、含み益321,199百万円、含み益率(注3)は39.4%に達しました。
また、ESGの取組みについては、2025年に実施されたGRESBリアルエステイト評価において、最高位の「5 Star」の評価を6年連続で、「Green Star」の評価を11年連続で取得する等、引き続き高い評価を獲得しています。
(注1)出所:シービーアールイー株式会社
(注2)譲渡価格と帳簿価額の差額から譲渡諸経費を控除して算出しています。
(注3)含み益率=含み益(期末鑑定評価額又は調査価額-期末簿価)/期末簿価
(ハ)資金調達の概要
本投資法人は、強固なバンクリレーションシップのもと、財務の安定性と投資主価値向上の最適なバランスを追求した運用を行っており、返済期限の分散化を図りつつ、金利コストの上昇を抑える取組みとともに適切な総資産有利子負債比率(以下「LTV」といいます。)水準を維持しています。
当期におきましては、2025年9月1日に満期日を迎えた銀行借入1,300百万円、同年10月13日に満期日を迎えた銀行借入1,150百万円、ならびに同年10月14日に満期日を迎えた銀行借入5,160百万円について、2025年10月14日付で実行した銀行借入7,610百万円によりリファイナンスを行いました。
また、2025年12月22日に満期日を迎えた銀行借入1,300百万円については、同日付の銀行借入1,300百万円によりリファイナンスを行いました。さらに、2026年2月27日に満期日を迎えた銀行借入9,930百万円については、同日付の銀行借入9,930百万円によりリファイナンスを行いました。
本投資法人が掲げる機動的な財務運営の取組みの一環として、金利上昇局面における早期の金利固定化を企図し、2025年10月14日付銀行借入は2025年9月1日に、2026年2月27日付銀行借入については2025年11月28日にローン契約を締結のうえ同日中に銀行固定及び金利スワップにて金利固定化を行いました。上記の結果、当期末時点の有利子負債残高は396,560百万円(借入金残高342,960百万円、投資法人債残高53,600百万円)、LTVは45.5%となっています。
なお、当期末時点において本投資法人が取得している格付は以下のとおりです。
(注)無担保投資法人債に対する格付(償還済みのものを除く)。
(ニ)業績及び分配の概要
上記運用の結果、当期の業績は営業収益28,821百万円、営業利益16,482百万円、経常利益14,896百万円、当期純利益14,896百万円となりました。
当期の分配金については、本投資法人の規約に定める分配の方針に従い、投資法人の税制の特例(租税特別措置法第67条の15)を適用し、当期未処分利益のうち発行済投資口の総口数4,797,731口の整数倍である14,896,954,755円を分配することとしています。この結果、投資口1口当たりの分配金は3,105円となりました。
これに加え、本投資法人は、規約に定める分配の方針に従い、原則として毎期継続的に利益を超える金銭の分配(以下、「継続的利益超過分配」といいます。)を行うこととしています(注)。また、新投資口の発行、投資法人債の発行、資金の借入れ等の資金調達、建物及び設備等の除却、大規模修繕等により、一時的に1口当たり分配金が一定程度減少することが見込まれる場合、分配金水準の安定性の維持を目的として、継続的利益超過分配に加えて、一時的な利益を超える金銭の分配(以下、「一時的利益超過分配」といいます。)を行うことができるものとしています(但し、これらの利益超過分配は一般社団法人資産運用業協会(以下「資産運用業協会」といいます。)の規則等において定める額を超えない範囲で行うものとします。)。更に、本投資法人は、継続的利益超過分配及び一時的利益超過分配に加えて、法令等(資産運用業協会の定める規則等を含みます。)に従い、一時差異等調整引当額を計上して利益を超えた金銭の分配を行うことができるものとしています。
これに基づき、税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻しとして当期の減価償却費4,307百万円の100分の30にほぼ相当する額である1,290,589,639円を継続的利益超過分配として、また、GLP習志野Ⅱの再開発に伴い一時的に1口当たりの分配金が減少したため、119,943,275円を一時的利益超過分配として分配することとしました。この結果、投資口1口当たりの利益超過分配金は294円となりました。
(注) 本投資法人は、当該分配を実施する計算期間の直前の計算期間に計上された減価償却費相当額から、同計算期間における資本的支出額を控除した金額を上限として利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行うこととしています。なお、当期の減価償却費4,307百万円から当期の資本的支出額1,877百万円を控除した金額は2,429百万円となります。
また、本投資法人の長期修繕計画に基づき想定される各期の資本的支出の額を勘案し、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼすことがない範囲での利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)として、当面の間、当該分配を実施する計算期間の直前の計算期間に計上された減価償却費相当額の100分の30に相当する金額を目処として、利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行う方針です。
なお、当期末現在保有する資産全85物件に係る建物状況調査報告書及びエンジニアリング・レポートに記載の緊急修繕費用と中長期修繕費用を合計した額の6ヶ月平均額は1,030百万円です。
B.次期の見通し
(イ)今後の運用方針及び対処すべき課題
本投資法人は、中長期的な成長を目指し、以下の施策に取り組む方針です。
(A)内部成長戦略においては、本投資法人のポートフォリオの特性である安定的なキャッシュ・フローを享受しつつ、賃貸借契約期間の満了に伴う更新時期において、先進的物流施設の需給環境の改善及びマーケット賃料を踏まえ、既存賃料とマーケット賃料のギャップを活かした賃料改定を推進します。また、スポンサーのリーシングチームと協働し、こうした不動産ファンダメンタルズの追い風を活かしながら、賃料の増額改定と高稼働の両立を一層図ってまいります。加えて、契約期間中についても、リース契約に導入されているCPI連動条項により賃料改定を行えることを活かして内部成長を拡大させてまいります。
(B)外部成長戦略としては、ブリッジスキームも活用しつつスポンサー開発物件と第三者物件の取得によるポートフォリオの質と収益性の向上の両立を目指してまいります。本投資法人が優先交渉権を有する優先交渉権対象物件に加えて、スポンサーグループが第三者との共同出資による私募ファンドを通じて保有する物件をスポンサー・パイプラインとして、今後も取得機会を追求していきます。また、保有物件の再開発による資産価値の最大化についても取り組んでいきます。
(C)物件売却戦略については、物流特化型REIT銘柄の中で最多の物件数を有し、立地、規模、築年数等においても多様性のあるポートフォリオの特性を活かし、物流不動産市場の動向を注視しながら、適切なタイミングでの保有物件の売却を検討し、ポートフォリオのクオリティ向上及び、投資主への含み益の還元を継続して実現していきます。
(D)財務戦略については、資金調達環境の動向を注視し、借換えにおける早期の金利固定化、返済期限のコントロール、ESGファイナンスの活用、投資法人債の発行及び公募増資の実行など、様々な取り組みを通じ、財務安定性と資金調達コストのバランスを意識した財務運営に取り組んでまいります。また、物件売却等により得られる手元資金について、投資口価格の動向を意識しながら、物件取得や自己投資口取得など、投資主価値の向上に資する有効な活用策を検討していきます。
C.決算後に生じた重要な事実
(イ)資産の取得
本投資法人は、下記の資産を取得しました。
Marq南足柄
(注)「取得価格」は、取得経費、固定資産税、都市計画税、消費税及び地方消費税を除きます。
(ロ)自己投資口の取得の決定
本投資法人は、2026年4月13日開催の役員会において、投信法第80条の5第2項の規定により読み替えて適用される同法第80条の2の規定に基づき、自己投資口取得に係る事項について決定しました。なお、取得した全ての投資口について、2026年8月31日に消却することを併せて決定しています。
a. 自己投資口の取得を行う理由
本投資法人の投資口価格の水準、手元資金の状況、財務状況及びマーケット環境等を総合的に勘案した結果、中長期的な投資主価値の向上に資すると判断しました。
b. 取得に係る事項の内容