スターアジア不動産投資法人

1部 ファンド情報

1章 ファンドの状況

1. 投資法人の概況

1) 主要な経営指標等の推移

  • (1)【主要な経営指標等の推移】

    ① 主要な経営指標等の推移

     

    回次

    第11期

    第12期

    第13期

    第14期

    第15期

    決算年月

    2021年7月

    2022年1月

    2022年7月

    2023年1月

    2023年7月

    営業収益

    (百万円)

    5,560

    5,960

    6,088

    6,486

    6,946

    (うち不動産賃貸事業収益)

    (百万円)

    5,536

    5,890

    6,060

    6,463

    6,503

    営業費用

    (百万円)

    2,721

    2,872

    3,041

    3,136

    3,340

    (うち不動産賃貸事業費用)

    (百万円)

    2,189

    2,311

    2,494

    2,556

    2,744

    営業利益

    (百万円)

    2,838

    3,087

    3,047

    3,349

    3,606

    経常利益

    (百万円)

    2,407

    2,517

    2,560

    2,782

    3,073

    当期純利益

    (百万円)

    2,407

    2,516

    2,559

    2,781

    3,073

    総資産額

    (百万円)

    179,170

    193,316

    193,488

    208,766

    209,259

    (対前期比)

    (%)

    △0.3

    7.9

    0.1

    7.9

    0.2

    純資産額

    (百万円)

    89,179

    95,753

    95,803

    103,455

    103,224

    (対前期比)

    (%)

    △0.5

    7.4

    0.1

    8.0

    △0.2

    有利子負債額

    (百万円)

    82,440

    89,640

    89,640

    96,840

    96,840

    出資総額

    (百万円)

    52,745

    59,115

    59,115

    66,123

    66,123

    発行済投資口の総口数

    (口)

    1,674,389

    1,789,389

    1,789,389

    1,921,689

    1,921,689

    1口当たり純資産額

    (円)

    53,260

    53,511

    53,539

    53,835

    53,715

    1口当たり当期純利益

    (円)

    1,437

    1,414

    1,430

    1,455

    1,599

    分配総額

    (百万円)

    2,447

    2,644

    2,641

    2,865

    3,047

    1口当たり分配金

    (円)

    1,462

    1,478

    1,476

    1,491

    1,586

    (うち1口当たり利益分配金)

    (円)

    1,462

    1,478

    1,476

    1,491

    1,586

    (うち1口当たり利益超過分配金)

    (円)

    -

    -

    -

    -

    -

    総資産経常利益率(注3)

    (%)

    1.3

    1.4

    1.3

    1.4

    1.5

    (年換算値)

    (%)

    2.7

    2.7

    2.7

    2.7

    3.0

    自己資本利益率(注3)

    (%)

    2.7

    2.7

    2.7

    2.8

    3.0

    (年換算値)

    (%)

    5.4

    5.4

    5.4

    5.5

    6.0

    自己資本比率(注3)

    (%)

    49.8

    49.5

    49.5

    49.6

    49.3

    (対前期増減)

     

    △0.1

    △0.2

    △0.0

    0.0

    △0.2

    配当性向(注3)

    (%)

    101.7

    105.1

    103.2

    103.0

    99.2

    [その他参考情報]

     

     

     

     

     

     

    当期運用日数

    (日)

    181

    184

    181

    184

    181

    期末投資物件数

    (件)

    53

    60

    60

    63

    62

    減価償却費

    (百万円)

    633

    682

    697

    743

    763

    資本的支出額

    (百万円)

    363

    424

    471

    605

    787

    賃貸NOI(Net Operating Income)

    (注3)

    (百万円)

    3,980

    4,261

    4,263

    4,650

    4,521

    FFO(Funds from Operation)(注3)

    (百万円)

    3,040

    3,199

    3,257

    3,525

    3,422

    1口当たりFFO(注3)

    (円)

    1,815

    1,787

    1,820

    1,834

    1,780

    期末総資産有利子負債比率(LTV)

    (%)

    46.0

    46.4

    46.3

    46.4

    46.3

     

     

    回次

    第16期

    第17期

    第18期

    第19期

    第20期

    決算年月

    2024年1月

    2024年7月

    2025年1月

    2025年7月

    2026年1月

    営業収益

    (百万円)

    7,964

    8,113

    9,690

    9,988

    10,269

    (うち不動産賃貸事業収益)

    (百万円)

    7,524

    8,048

    9,284

    9,474

    9,915

    営業費用

    (百万円)

    3,655

    3,774

    4,217

    4,230

    4,480

    (うち不動産賃貸事業費用)

    (百万円)

    2,946

    3,055

    3,370

    3,408

    3,567

    営業利益

    (百万円)

    4,309

    4,338

    5,472

    5,758

    5,788

    経常利益

    (百万円)

    3,528

    3,669

    4,522

    4,834

    4,754

    当期純利益

    (百万円)

    3,527

    3,668

    4,522

    4,834

    4,753

    総資産額

    (百万円)

    259,155

    258,678

    293,813

    293,925

    293,847

    (対前期比)

    (%)

    23.8

    △0.2

    13.6

    0.0

    △0.0

    純資産額

    (百万円)

    127,127

    127,473

    144,691

    144,842

    144,909

    (対前期比)

    (%)

    23.2

    0.3

    13.5

    0.1

    0.0

    有利子負債額

    (百万円)

    123,140

    121,840

    139,680

    138,880

    138,880

    出資総額

    (百万円)

    89,316

    89,316

    105,443

    105,443

    105,443

    発行済投資口の総口数

    (口)

    2,372,000

    2,372,000

    2,687,000

    2,687,000

    2,687,000

    1口当たり純資産額

    (円)

    53,595

    53,740

    53,848

    53,904

    53,929

    1口当たり当期純利益

    (円)

    1,518

    1,546

    1,712

    1,799

    1,769

    分配総額

    (百万円)

    3,614

    3,785

    4,570

    4,844

    4,753

    1口当たり分配金

    (円)

    1,524

    1,596

    1,701

    1,803

    1,769

    (うち1口当たり利益分配金)

    (円)

    1,524

    1,596

    1,701

    1,803

    1,769

    (うち1口当たり利益超過分配金)

    (円)

    -

    -

    -

    -

    -

    総資産経常利益率(注3)

    (%)

    1.5

    1.4

    1.6

    1.6

    1.6

    (年換算値)

    (%)

    3.0

    2.8

    3.2

    3.3

    3.2

    自己資本利益率(注3)

    (%)

    3.1

    2.9

    3.3

    3.3

    3.3

    (年換算値)

    (%)

    6.1

    5.8

    6.6

    6.7

    6.5

    自己資本比率(注3)

    (%)

    49.1

    49.3

    49.2

    49.3

    49.3

    (対前期増減)

     

    △0.3

    0.2

    △0.0

    0.0

    0.0

    配当性向(注3)

    (%)

    102.5

    103.2

    101.1

    100.2

    100.0

    [その他参考情報]

     

     

     

     

     

     

    当期運用日数

    (日)

    184

    182

    184

    181

    184

    期末投資物件数

    (件)

    71

    71

    74

    73

    73

    減価償却費

    (百万円)

    963

    1,034

    1,142

    1,163

    1,194

    資本的支出額

    (百万円)

    1,107

    774

    830

    959

    752

    賃貸NOI(Net Operating Income)

    (注3)

    (百万円)

    5,542

    6,026

    7,057

    7,229

    7,542

    FFO(Funds from Operation)(注3)

    (百万円)

    4,116

    4,703

    5,342

    5,555

    5,674

    1口当たりFFO(注3)

    (円)

    1,735

    1,982

    1,988

    2,067

    2,112

    期末総資産有利子負債比率(LTV)

    (%)

    47.5

    47.1

    47.5

    47.3

    47.3

    (注1) スターアジア不動産投資法人(以下「本投資法人」といいます。)の営業期間(以下「事業年度」ということがあります。)は、毎年2月1日から7月末日まで及び8月1日から翌年1月末日までの各6ヶ月間です。

    (注2) 特に記載のない限り、記載未満の数値については切り捨てて記載し、比率は小数第2位を四捨五入により記載しています。

     

    (注3) 以下の算定式により算出しています。

    総資産経常利益率

    経常利益÷{(期首総資産額+期末総資産額)÷2}×100

    自己資本利益率

    当期純利益÷{(期首純資産額+期末純資産額)÷2}×100

    自己資本比率

    期末純資産額÷期末総資産額×100

    配当性向

    1口当たりの分配金(利益超過分配金は含まない)÷1口当たり当期純利益×100

    なお、第12期、第14期、第16期及び第18期の配当性向については、期中に公募増資を行ったことにより、期中の投資口数に変動が生じているため、次の算式により算出しています。

    分配金総額(利益超過分配金を含まない)÷当期純利益×100

    賃貸NOI(Net Operating Income)

    不動産賃貸事業収益-不動産賃貸事業費用+減価償却費

    FFO(Funds from Operation)

    当期純利益+減価償却費-不動産等売却益+不動産等売却損

    1口当たりFFO

    FFO÷発行済投資口の総口数

     

    ② 当期の概況

    (ア) 投資法人の主な推移

     本投資法人は、その資産運用を委託するスターアジア投資顧問株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)とともに、2016年4月の上場以来、投資主利益の最大化を追求する様々な施策を実行し、資産規模の拡大による安定性の確保、内部成長の実現による1口当たり分配金の増額に努めてきました。

     当期(2026年1月期)においては、目標年を2030年とする新たな中期計画を策定し、1口当たり分配金の成長目標を1,913円以上(年率成長率3%以上)、資産規模の成長目標を5,000億円と設定しました。これは、従前の中期計画における目標である、1口当たり分配金1,600円以上、資産規模目標3,000億円に対して、前期(2025年7月期)末における本投資法人の運用する資産ポートフォリオにおいては、継続的に1口当たり1,600円以上の分配金を実現できると判断されたこと、また、資産規模は2,756億円であり、パイプラインの状況から3,000億円の目標達成の蓋然性が高いことから、新たな中期計画を策定したものです。

     

     さて、当期において実施した特筆すべき施策として、資産入替の実行が挙げられます。資産の取得として、ポラリス(注1)が賃借してオペレーションを担っており、平均鑑定NOI利回り6.4%と収益性の高いホテル2物件(「KOKO HOTEL 名古屋栄」及び「KOKO HOTEL 仙台駅前 West」)の取得と、金利上昇に対応する資産として、不動産ポートフォリオの減価償却後NOI利回りを超える収益を獲得できると想定されるメザニンローン債権1案件(「スターアジア・メザニンローン債権投資シリーズ12」(裏付け不動産:ホテル4物件))への投資です。ホテル2物件は、2025年9月に取得しましたが、取得時の予想を大幅に超えるパフォーマンスを示し内部成長へ貢献しました。また、メザニンローン債権への投資は予定どおりの収益(基準金利+5%)を獲得しています。資産入替における資産の売却の対象は2物件であり、2020年8月の合併により組入れた郊外型商業施設「ラパーク岸和田」と区分所有の住宅「白井ロジュマン」です。「ラパーク岸和田」は、競争力の維持のため大規模な修繕工事及び資本的支出が必要なタイミングが到来し、対応策の具体的な検討を行っていましたが、これらを含めた今後のライフサイクルコストの増加に対して収益力の向上が限定的であると判断し売却を決定した物件です。なお、「ラパーク岸和田」は、マクロ的には人口減少が継続している中で、中長期的には資産価値の維持向上に懸念を有する郊外型商業施設として、組入れた当初より売却の方針を掲げていたものでもあります。「白井ロジュマン」は、区分所有であること、また築年数の経過とともに今後の修繕費の増加も想定されており、成長余力に乏しいと判断したことから売却先を探索したものです。これら2物件は鑑定評価額を上回る価格での売却であり、当期において売却益を実現しました。この資産入替は、インフレ環境への対応力が最も高いアセットタイプとして本投資法人が認識しているホテルの組入れ比率を拡大することを目的としており、結果として、当期末のアセットアロケーション(ポートフォリオにおけるアセットタイプごとの構成比、投資有価証券は除きます。)は、ホテルが前期末の37.6%から40.2%へと拡大し、ポートフォリオとしてインフレ環境への対応力を強化できたと考えています。

     上記に加え、前期末の2025年7月には、ホテル2物件(現名称:「KOKO HOTEL 東京西葛西」及び「KOKO HOTEL 横浜鶴見」)において、前テナントとの間の定期建物賃貸借契約の期間満了に伴い、現賃借人であるポラリスへのオペレーターの交代を実行しました。交代と同時に賃料体系の変更も行っており、当該2ホテルからの収益増につながっています。

     

     当期である2025年8月から2026年1月の期間の我が国の経済は、物価高と金利上昇の狭間での足踏みと総括できるのではないかと本投資法人は考えています。それまでの円安・株高の流れが変化し、実質賃金の伸び悩みや外部環境の不透明感から、景気回復の勢いは極めて緩やかなものに留まりました。一方で、企業業績は好調を維持しており、また2025年末にかけての円安の一服と政府の経済刺激策への期待から、2026年1月には日経平均株価の最高値更新を記録しました。

     こうした環境下において、本投資法人の保有不動産ポートフォリオにおける当期のアセットタイプごとの運用状況は、①オフィス:稼働率は期中平均97.2%と高稼働であり、新規契約時及び契約更新時の賃料増額は継続、②商業施設:高稼働を維持し(期中平均稼働率99.1%)、安定的な収益を獲得、③住宅:期中平均稼働率は96.7%と安定しており、新規入居時及び契約更新時の賃料増額を実現、④物流施設:所沢ロジスティクスにおける新規テナントとの賃貸借開始(従前対比で賃料増額を実現)、他の物流施設からの収益は安定的に推移、⑤ホテル:主としてポラリス運営ホテル(注2)(当期末現在16物件、取得価格の合計960億円、ホテルポートフォリオに占める比率87.8%(注3))からの当初予想を超える変動賃料により収益増へ貢献、と概括できます。

     当期における内部成長に関しては、中国政府による我が国への渡航制限等の負のインパクトを吸収し、他の国々や地域からの訪日外客数の増加等に伴い拡大する宿泊需要を取り込んだホテルの運営状況が当初想定を超え、ポラリス運営ホテルからの変動賃料が貢献しました。これに加えて、オフィス及び住宅においては、タイトな賃貸需給を背景として、本資産運用会社による積極的な賃料増額への取組み(新規契約時及び契約更新時)が寄与していると考えています。また、本資産運用会社のサステナビリティ推進部が中心となり、サブ・スポンサーである日本管財株式会社及び東京キャピタルマネジメント株式会社(以下「日本管財グループ」といいます。)の協力を得て、人件費及び資材の高騰による工事費の増加傾向の中、発注方法の見直しやVE(ヴァリューエンジニアリング)等によりコストの最適化に注力し、適切な修繕及び資本的支出を実行し資産価値の維持向上に取り組みました。

    (注1) スターアジアグループに属するポラリス・ホールディングス株式会社(証券コード:3010)を単独で、又は文脈によりその傘下にある企業を含めて「ポラリス」といいます。以下同じです。

    (注2) ポラリス運営ホテルとは、ポラリスが賃借人兼オペレーターであるホテルをいいます。

    (注3) ポラリス運営ホテルのホテルポートフォリオに占める比率は、取得価格ベースであり、有価証券を除いて算出しています。

     

    (イ) 当期末後に決定した重要施策

     当期末後の2026年2月26日に、みずほリース株式会社(以下「みずほリース」といいます。)の完全子会社であるエムエル・エステート株式会社(以下「エムエル・エステート」といいます。)をスポンサーとする、新たな「スポンサー・サポート契約」を締結しました。これは、スターアジアグループに属するStar Asia Group LLCとみずほリース及びエムエル・エステートとの間で「AMENDED AND RESTATED LIMITED LIABILITY COMPANY AGREEMENT」(以下「本資本業務提携契約」といいます。)が同日付で締結されたことを受けての施策であり、本投資法人及び本資産運用会社としても、これまで、本投資法人の取得候補物件に関し、ブリッジスキーム(注)の提供をはじめとする協業を通じて信頼関係を構築してきましたエムエル・エステートをスポンサーとし、一層密に協働することが、本投資法人の投資主の皆様の利益の最大化に資すると判断しています。当該スポンサー・サポート契約においては、エムエル・エステートが、本投資法人の資産運用活動及び本資産運用会社の運営活動を支援し、これにより本投資法人が成長することを通じて相互のビジネスを拡大発展させることを目的とすると謳われており、①エムエル・エステートの保有物件の売却情報の提供、②資産取得業務の支援、③ウェアハウジング機能の提供、④融資に関する協力、⑤その他の支援(人的サポート・ノウハウの提供等)等が、エムエル・エステートにより提供されるサポート内容となっています。このスポンサー・サポート契約の締結により、エムエル・エステートとの連携が一層強化され、今後の本投資法人の成長に資するものと考えられます。なお、本資本業務提携契約の締結により、みずほリース及びスターアジアグループとして、これまでの両社の協業関係をさらに強化することに加え、戦略的パートナーとして安定的な資本関係を構築することが、両社の事業拡大及び企業価値向上につながるものと考えています。

    (注) ブリッジスキームとは、本投資法人が取得することを前提として、国内の事業会社が一時的に当該物件を保有することをいいます。

     

     本投資法人は、本資産運用会社とともに、2025年9月に新たに策定した、2030年を目標年とする中期計画において掲げた1口当たり分配金目標「1,913円以上(年率成長率3%以上)」、資産規模目標「5,000億円」の達成に向けた様々な施策を検討しています。外部成長においては、スターアジアグループの運用資産や案件ソーシング力を活用するとともに、新たにスポンサーとして加わった、みずほリースの完全子会社であるエムエル・エステートのサポートも得て、取得可能資産を積み上げたいと考えています。また、内部成長、1口当り分配金の増額においては、アセットタイプ毎に目標を定め、収益増に取り組むなど、様々な施策を検討、実行することにより、目標達成に向けて注力します。

     

    (ウ) ESGに関連する施策への取組み状況

     当期においても、ESGに関連する施策への取組みを継続、強化しています。2021年3月に策定したE(環境)に係る目標(①GHG(温室効果ガス)の排出量削減、②エネルギー消費量の削減、③水資源管理(使用量の上昇抑制)、④廃棄物管理(排出量の抑制))に対して、保有物件に関係するプロパティ・マネジャーや入居テナントの協力を得て、その達成に向けた努力を継続しています。これらの目標の達成度合いについては、1年間の数値を計測して効果測定し、本投資法人のウェブサイトにおいて開示しています。なお、E(環境)に係る取組みとして、当期においては、物件ごとの状況を勘案して照明LED化工事、空調設備及び搬送動力等の高効率化・省エネ改修工事、水資源保全、緑化保全を総額約300百万円で実施しています。

     また、本投資法人は、ESGに関連する施策への取組みの一環として、2025年度のGRESBリアルエステイトアセスメントへ参加し、「2スター」及び「グリーンスター」を獲得し、ESG情報開示の充実度を測るGRESB開示評価においても、ESG開示の取組みが高く評価され、最上位の「Aレベル」の評価を取得しています。加えて、国際的な環境調査・情報開示を行う非営利団体であるCDPが主催するCDP評価に初めて参加し、2025年の評価において気候変動「B」スコア、水セキュリティ「B」スコアを取得しています。しかしながら、これらのアセスメントへの参加は、ESGに関連する施策の実施状況に係る一つの指標であり、高い評価を受けること自体が目標ではなく、評価を向上させることを通じて、より良い環境(E)の、より良い社会(S)の、より良いガバナンス(G)の実現を目指した施策を実行し、公的性格の強い投資法人としての責務を果たすことが、より重要であると認識しています。

     今後も、本資産運用会社におけるサステナビリティ推進部が中心となり、サブ・スポンサーである日本管財グループの協力を得て、ESGに関連する施策に取り組んでいきます。

     

    (エ) 投資環境と運用実績

    投資環境:

     当期における我が国経済の状況は、実質GDP成長率が、2025年第3四半期(7月-9月)は対前期比 -0.6%(2次速報値)、第4四半期(10月-12月)は対前期比 +0.3%(2次速報値)となり、やや停滞感が出ていたと考えられます。一方で、インフレの進行に伴い、名目GDPは第3四半期に若干のマイナスとなりましたが、第4四半期にかけて拡大しています。インフレ率の上昇はピークアウトしているように見えるものの、今後も物価上昇は継続するものと本投資法人は考えています。

     2025年下半期の株式マーケットを見ると、日経平均株価は、39,986ポイント(2025年7月1日終値)で始まり、50,339ポイント(2025年12月30日終値)で終わっています。この期間中には、常態化したインフレを受けて好調な企業業績及び政府による積極財政への期待から、史上初の50,000ポイントを超え、11月初旬には史上最高値である52,636ポイントを付けました。しかしながら、11月後半から12月にかけては、米国の政治リスクや中東情勢の緊迫感の高まりから、若干の調整局面へ入りました。2026年に入り、衆議院議員選挙を経て安定化した政権による経済政策への取組期待が一層高まり、さらに史上最高値を更新し2026年2月には59,332ポイントを付けています。しかしながら、足元では顕在化した中東情勢リスク及びこのリスクが世界経済へ与えるインパクトの不透明感により株式マーケットは弱含んで推移しています。2026年3月上旬においては、企業業績は堅調を維持し、賃金の上昇が継続される見通しであること等から、我が国経済は拡大するとの予測がコンセンサスとなっているものの、地政学リスクの拡大、日本銀行による政策金利の動向、海外の経済情勢、特に米国の経済・通商政策及び主要各国の中央銀行の政策には留意が必要です。

     2025年下半期の東証リート指数は、株式マーケットと同様に上昇しており、1,778ポイント(2025年7月1日終値)で始まり、2,013ポイント(2025年12月30日終値)で終わっています。この期間中、若干の揺らぎはあるものの上昇トレンドを維持し、2026年1月中旬には、2,078ポイントを付けるところまで上昇しました。しかしながら、金利の先高観や上記の顕在化した中東情勢リスク等により、足元では調整局面に入り、2,000ポイントを割り込んで推移しています。

     本投資法人としては、国内外の金融市場及び資本市場の動向を注視するとともに、それらが保有ポートフォリオに与える影響を把握し、必要な対応策を検討する必要があると考えています。

     

     不動産売買マーケットに関しては、グローバルに比較した場合、政策金利が引き上げられたとはいえ、我が国においては相対的に低利での借入れが可能であり、不動産投資家にとって良好な資金調達環境が継続していることから、相対的に高い利回りが期待できる日本の不動産に対するマーケット参加者は多く、競合環境はタイトな状況が継続しています。本投資法人が投資対象としている中規模オフィスと住宅については、建築費の高騰から新たな供給は絞られており、需要が高い状況が継続しています。また、為替レートは、やや円安方向に振れて、足元では安定しており、加えて各国のインフレによる日本の物価の相対的な割安感も追い風となって、訪日外客数は2025年には4,000万人を超え、過去最高を記録しており、堅調な宿泊需要からホテルへの投資意欲は高い状況が継続しています。

     不動産の賃貸市場においては、常態化したインフレがテナントのマインドセットを変えており、賃料増額が受け入れられやすい環境となっていると考えられます。本投資法人の保有するオフィス及びファミリータイプの住宅においては、賃貸の需給はタイトであり、安定的な稼働率が維持され、かつオフィス及び住宅ともに賃料の上昇傾向は顕著です。

     アセットタイプごとの賃貸市場動向については、以下に詳述します。

     

    (オフィス賃貸市場)

     シービーアールイー株式会社(以下「CBRE」ということがあります。)の「ジャパンオフィスマーケットビュー(2025年第4四半期)」によると、東京のオールグレード空室率は、対前期比0.5%低下の1.6%で、特にグレードAの空室率は0.7%と約5年ぶりに1%を下回りました。新規供給は過去平均の約3割程度の1.4万坪でしたが、これを大きく上回る5.5万坪の新規需要がありました。業容拡大及び出社回帰を背景とした拡張、分室開設及びアップグレード移転等が幅広い業種で見られ、都心部の他、周辺の大型ビルでまとまった空室が消化されました。2026年のグレードAの新規供給案件の内定率は7割超と推定されていますが、二次空室の発生も限定的とみられ、空室率はグレードを問わず逼迫した水準が続き、タイトな需給状況を背景に賃料水準の上昇、特にグレードAの賃料水準は向こう1年間で12.2%の上昇が見込まれています。

     

    (商業施設賃貸市場)

     日本百貨店協会の「全国百貨店売上高概況(2026年1月)」によると、売上高は2.3%増及び入店客数は1.6%増(対前年同月比)となりました。インバウンド売上の減少が継続していますが、国内顧客売上が好調に推移しています。ラグジュアリーブランド、時計及び宝飾品等が売上を牽引し、外商顧客向けの催事やイベントも集客に寄与しました。また、CBREの「ジャパンリテールマーケットビュー(2025年第4四半期)」によると、中国からの訪日客の減少による出店戦略に対する影響は限定的であるとみられ、国内及び他の国からの訪日客の消費で下支えされているケースが多く、売上は維持されており、リーシングが進む中で、募集区画の選択肢が限られる状況が続くことから、アパレル・物販・飲食等のリテーラーの旺盛な出店意欲が賃料水準を押し上げると見込まれています。

     

    (住宅賃貸市場)

     国土交通省の「建築着工統計調査報告(令和7年計)」によると、新設住宅着工は、持家が4年連続の減少で前年比7.7%減、貸家は3年連続の減少で前年比5.0%減、分譲住宅も3年連続の減少で前年比7.6%減、といずれも前年比で減少したことにより、全体で3年連続の減少で前年比6.6%減となっています。建築資材の高騰等により、新築住宅の注文の減少、建設会社の利益率の低下及び工事の遅延等の影響が見られます。また、総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告2025年結果」によると、東京圏の転入超過数が123,534人と、前年に比べ12,309人減少していますが、分譲マンション価格の高騰により、人口集積のある大都市圏においては賃貸需要が強く賃料の上昇傾向が顕著となっています。住宅賃貸市場は今後も底堅く推移していくものと考えています。

     

    (物流施設賃貸市場)

     CBREの「ジャパンロジスティクスマーケットビュー(2025年第4四半期)」によると、首都圏大型マルチテナント型物流施設の空室率は、対前期比0.6%低下の9.8%となりました。テナントの動きが活発化し、空室消化が進んでいます。空室率が低下した東京ベイエリア(空室率4.0%)・外環道エリア(空室率4.4%)では、賃料が上昇(対前期比+0.5~0.6%)しています。国道16号エリア(空室率9.6%)・圏央道エリア(空室率15.0%)でも空室消化が進んでいますが、賃料水準は概ね横ばいで推移しています。2026年の新規供給は、過去10年の平均53.6万坪を下回る52.4万坪ですが、積み上がった空室在庫の影響により空室率は緩やかな低下にとどまる見込み、と予想されています。

     

    (ホテル賃貸市場)

     観光庁の「宿泊旅行統計調査(2025年年間値(速報値)」によると、2025年の延宿泊者数は、6億5,348万人(前年比0.8%減)の水準(日本人延宿泊者数は前年比3.8%減、外国人延宿泊者数は前年比8.2%増)となりました。また、日本政府観光局の「訪日外客数(2026年1月推計値)」によると、訪日外客数は3,597,500人で、前年同月比4.9%減、4年ぶりに前年同月を下回る結果となりました。中国政府が日本への渡航自粛を喚起し、中国からの訪日客数が大幅に減少しましたが、韓国からの訪日客数の増加及びスノーシーズンでの訪日外客数の増加が見られ、訪日需要の底堅さが確認できました。清掃員等の人手不足やリネン・人件費等の営業費用の増大等の課題も発生していますが、稼働率及び客室単価は安定的に推移し、アパートメントタイプ及びラグジュアリータイプ等様々な需要に対応できるホテルの供給も拡大しており、ホテルセクターにおける消費額の拡大が期待されます。

     

    運用実績:

     上記の環境認識の下、当期においても運用資産における稼働率の維持向上、収益力の向上、管理運営コストの削減に継続的に注力しました。当期末現在における運用資産(不動産等73物件)の平均稼働率は98.6%と引き続き高水準となっています。

     

    (オ) 資金調達の概要

    (エクイティ・ファイナンス)

     新投資口の発行は、運用資産の規模と価値の成長を目的として、既存投資主の権利の希薄化及びこれに伴う投資口の取引価格の状況等に配慮し、新投資口発行後の1口当たり分配金の想定、総資産に占める有利子負債の割合(以下「LTV」といいます。)の想定水準、J-REITマーケットの状況等を総合的に勘案して決定します。

     

    (デット・ファイナンス)

     本投資法人は、当期も引き続き、財務基盤の安定性向上を図るべく、リファイナンスリスクを低減するために、返済期限及び借入先の分散を意識し、さらに、1口当たり分配金の維持向上のため、適時適切に資金調達コストをコントロールする財務運営を行っています。当期においては、以下のとおり借入金の新規借入れ及び借換えを行いました。

     2025年8月29日に返済期限の到来した借入金8,250百万円のリファイナンスにあたり、同日付で8,250百万円の借入れを行いました。

     2025年9月30日に2物件に係る不動産信託受益権(取得価格6,825百万円)の取得資金に充当するため、6,800百万円の借入れを行いました。

     2025年10月31日に返済期限の到来した借入金3,600百万円のリファイナンスにあたり、同日付で3,600百万円の借入れを行いました。

     2026年1月30日に返済期限の到来した上記2025年9月30日付の借入金6,800百万円の返済を行いました。

     この結果、当期末日(2026年1月31日)現在の有利子負債残高は、138,880百万円(借入金残高136,880百万円、投資法人債発行残高2,000百万円)となり、LTVは47.3%となりました。

     

    (格付の状況)

     本書の日付現在において本投資法人が取得している格付は以下のとおりです。

    信用格付業者

    格付内容

    格付の方向性

    株式会社日本格付研究所

    長期発行体格付 A+

    安定的

    株式会社格付投資情報センター

    発行体格付 A

    安定的

     

     

    (カ) 業績及び分配の概要

     上記の運用の結果、本投資法人は当期の実績として営業収益10,269百万円、営業利益5,788百万円、経常利益4,754百万円、当期純利益4,753百万円を計上しました。

     分配の方針として、本投資法人の規約第35条第1項に定めるとおり、租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15第1項に規定される本投資法人の配当可能利益の額の100分の90に相当する金額を超えて分配することとしています。かかる方針に従い、利益分配金(利益超過分配金は含みません。)については、当期純利益から89,257,877円を留保した残額に、一時差異等調整積立金取崩額88,912,365円を加算した金額に相当する4,753,303,000円を分配することとしました。

     

    ③ 次期の見通し

     今後の我が国経済は、緩やかな拡大が継続することが予想されています。特に観光業界においては、円安や相対的に低いインフレ率等からインバウンドの増勢は継続し、国内の旅行需要はさらに増加することが予想され、他業種と比較して良好な状況が今後も継続するものと考えられます。

     一方で、今後の世界情勢、特に顕在化した中東リスク及びこれらによる世界経済、日本経済への影響には留意が必要だと考えます。加えて、政策金利の引き上げは既定路線であると考えられ、日本銀行による政策金利の引き上げのタイミングを見越した準備をする必要があると考えています。

     本投資法人としては、顕在化した地政学リスクの波及、主要国の経済政策及び経済情勢、さらには日本銀行の政策スタンス等が、我が国の不動産マーケットへ与える影響について注視が必要であり、様々なシナリオ分析を行い、対応策を練る必要があると考えています。

     

    今後の運用方針及び対処すべき課題

    (ア) 外部成長戦略

     本投資法人は、投資主利益の最大化を基本理念として掲げ、収益の「安定性」と「成長性」を基軸として、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル、学生専用レジデンス及びそれらの底地を投資対象アセットタイプとする総合型リートです。各アセットタイプの特性を見極め、投資対象エリアのマーケットを精緻に分析し、時宜にかなった厳選投資を行うことにより、収益の「安定性」と「成長性」を取り込むことのできる最適なポートフォリオの構築を追求します。

     2025年9月に策定した新中期計画(資産規模目標:2030年までに5,000億円)の達成に向けて、スターアジアグループ及び新たにスポンサーとなったエムエル・エステートによるスポンサーサポートを最大限に活用し、かつ本資産運用会社独自のネットワークによる案件発掘にも注力し、資産規模の拡大に向けたパイプラインの拡充に取り組みます。

     

    (イ) 内部成長戦略

     本投資法人は、投資主利益の最大化のため、保有資産の特性に合わせて、収益の最大化、費用の最適化を目指した運用を展開します。

     2025年9月に策定した新中期計画(1口当たり分配金目標:2030年までに1,913円以上(年率成長率3%以上))の達成に向けて、内部成長を加速させることに注力します。

     内部成長の実現に向けては、各運用資産の特性に応じた最適なプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)及びビルディング・マネジメント会社(以下「BM会社」といいます。)を選定し、PDCAシステム(「Plan・Do・Check・Actionシステム」をいいます。以下同じです。)に基づき適切にモニタリングし、常に最適なPM会社及びBM会社を起用できる体制を構築することにより、各運用資産の収益の最大化、支出の最適化を目指しています。特に、修繕費及び資本的支出に関しては、本資産運用会社のサステナビリティ推進部が中心となり、サブ・スポンサーである日本管財グループの物件管理運営に係る知見を活用し、工事費の最適化及びテナント満足度の向上を図っています。

     各アセットタイプに関する内部成長戦略は以下のとおりです。

     

    (オフィス・住宅)

     各物件の収益性の維持、向上のため各運用資産の特性に応じて適切なテナント仲介会社等を選定し、迅速に多数のテナント候補を確保し、賃貸条件を比較した上で最良と考えられるテナントを選定します。また、賃貸借契約の更新に際して、周辺相場賃料と契約賃料の間に乖離があるテナントの場合には、賃料増額に向けて注力します。また、機能の維持のための守備的な修繕だけでなく、専有部及び共用部の改修等のリノベーション工事等も積極的に実施し、テナントへの訴求性を高めます。

     

    (物流施設・ホテル)

     シングルテナント又は少数のテナントが賃借している物件が多いことから、テナントと定期的にコミュニケーションを図り、テナントからの要望等を適時に把握し、これら要望等にきめ細かく対応することによりテナントの満足度を向上させ、賃料収入の維持、向上を図ります。特にホテルにおいては、ポラリスとの連携をより密にし、収益増に貢献すると考えられる施策を検討し実行します。

     

    (商業施設)

     シングルテナントの物件においては、テナントとの頻度高いコミュニケーションにより、テナント満足度の向上を図り、賃料収入の維持を図ります。また、複数のテナントが入居する商業施設においては、テナントミックスの再考や、契約更新又は再契約時の状況により、テナント入替も含めて収益向上策を検討することにより、賃料収入の最大化を図ります。

     

    (ウ) 財務戦略

     本投資法人は中長期的な分配金の維持・向上、資産規模の拡大及びそれらによる投資主利益の最大化に資することを目的として、安定的かつ健全な財務運営を実行することを基本方針としています。

     

    (エクイティ・ファイナンス)

     資産の取得、債務の返済及び本投資法人の運営に係る費用(修繕費、資本的支出等)への充当を目的として、新投資口の発行を行うことを検討します。新投資口の発行は、既存投資主の権利の希薄化及びこれに伴う投資口の取引価格への影響等に配慮し、新投資口発行後の1口当たり分配金の想定、LTVの想定水準、J-REITマーケットの状況等を総合的に勘案して決定します。

     

    (デット・ファイナンス)

     デット調達においては、資金調達の機動性と財務の安定性のバランスに配慮します。実際のデット調達においては、必要資金額に鑑み、利率(固定/変動の別)、返済期限、調達方法(借入金・投資法人債)等を検討し、1口当たり分配金への影響を測った上で決定します。また、機動的なデット調達のため、コミットメントラインの設定を検討します。

     

    (LTV)

    LTVの水準は、デット調達余力の確保に留意しつつ、原則として60%を上限とします。

     

    (当面のデット・ファイナンスに係る施策)

     当面は、支払金利抑制の観点から、長期/変動でのデット調達を原則とします。金利上昇への対応として、資産サイドの状況を勘案した上で、金融マーケットの状況を注視し、固定化も検討します。また、LTVの水準は、当期末の水準程度を維持するよう努めます。

     

    ④ 決算後に生じた重要な事実

     該当事項はありません。