1部 ファンド情報
1章 ファンドの状況
1. 投資法人の概況
1) 主要な経営指標等の推移
(1)【主要な経営指標等の推移】
a.主要な経営指標等の推移
期別
第39期
(2021年
6月期)
第40期
(2021年
12月期)
第41期
(2022年
6月期)
第42期
(2022年
12月期)
第43期
(2023年
6月期)
日数
181日
184日
181日
184日
181日
営業成績
営業収益
(百万円)
17,305
18,253
18,357
18,739
18,173
うち賃貸事業収入
(百万円)
16,521
16,382
17,019
17,392
17,291
うち不動産等売却益
(百万円)
783
1,870
1,338
1,347
881
営業費用
(百万円)
8,515
9,626
9,014
9,466
9,314
うち賃貸事業費用
(百万円)
7,499
7,731
7,946
8,199
8,310
うち不動産等売却損
(百万円)
-
856
-
-
-
営業利益
(百万円)
8,789
8,626
9,343
9,273
8,859
経常利益
(百万円)
8,121
7,893
8,607
8,469
8,099
当期純利益
(百万円)
8,120
7,892
8,607
8,469
8,098
財産等の状況
総資産額
(百万円)
484,323
495,615
507,005
507,655
510,069
有利子負債額(注1)
(百万円)
196,500
206,900
202,900
202,900
205,400
純資産額
(百万円)
257,093
257,649
272,912
273,603
273,974
出資総額(純額)(注2)
(百万円)
247,860
247,860
261,751
261,751
261,751
1口当たり分配金等の状況
分配総額
(百万円)
7,337
7,234
7,777
7,728
7,578
配当性向
(%)
90.3
91.6
90.3
91.2
93.5
発行済投資口の総口数
(口)
958,250
958,250
997,178
997,178
997,178
1口当たり純資産額(注3)
(円)
268,295
268,875
273,684
274,378
274,749
1口当たり当期純利益(注3)(注4)
(円)
8,474
8,236
8,664
8,493
8,121
1口当たり分配金
(円)
7,657
7,550
7,800
7,750
7,600
利益分配金
(円)
7,657
7,550
7,800
7,750
7,600
利益超過分配金
(円)
-
-
-
-
-
財務指標
総資産経常利益率(注5)
(%)
1.7
1.6
1.7
1.7
1.6
年換算
(%)
3.4
3.2
3.5
3.3
3.2
自己資本利益率(注6)
(%)
3.2
3.1
3.2
3.1
3.0
年換算
(%)
6.4
6.1
6.5
6.1
6.0
期首純資産額
(百万円)
256,399
257,093
257,649
272,912
273,603
期末自己資本比率(注7)
(%)
53.1
52.0
53.8
53.9
53.7
期末総資産有利子負債比率
(注8)
(%)
40.6
41.7
40.0
40.0
40.3
DSCR(注9)
(倍)
14.6
13.8
14.1
13.8
13.8
金利償却前当期純利益
(注10)
(百万円)
10,132
9,708
10,026
10,120
9,984
支払利息
(百万円)
694
701
710
731
722
賃貸NOI(注11)
(百万円)
11,121
10,779
11,118
11,248
11,025
年換算NOI利回り(注14)
(%)
4.8
4.3
4.5
4.5
4.4
賃貸NCF(注12)
(百万円)
9,751
9,177
9,737
9,745
9,571
年換算NCF利回り(注14)
(%)
4.2
3.7
4.0
3.9
3.9
1口当たりFFO(注13)
(円)
9,847
9,398
9,341
9,414
9,287
参考情報
投資物件数(注15)
65
66
67
65
67
テナント数
804
1,134
1,171
1,180
1,224
総賃貸可能面積(注16)
(㎡)
496,876.92
500,628.05
502,889.81
494,503.72
497,600.56
稼働率
(%)
98.1
97.3
97.5
97.6
98.1
期別
第44期
(2023年
12月期)
第45期
(2024年
6月期)
第46期
(2024年
12月期)
第47期
(2025年
6月期)
第48期
(2025年
12月期)
日数
184日
182日
184日
181日
184日
営業成績
営業収益
(百万円)
17,411
17,644
19,580
20,803
20,346
うち賃貸事業収入
(百万円)
17,411
17,644
18,192
17,924
18,460
うち不動産等売却益
(百万円)
-
-
1,387
2,879
1,885
営業費用
(百万円)
9,259
9,290
9,865
9,549
9,798
うち賃貸事業費用
(百万円)
8,315
8,300
8,784
8,507
8,718
うち不動産等売却損
(百万円)
-
-
-
-
-
営業利益
(百万円)
8,151
8,354
9,715
11,253
10,547
経常利益
(百万円)
7,357
7,531
8,791
10,329
9,446
当期純利益
(百万円)
7,356
7,530
8,790
10,329
9,446
財産等の状況
総資産額
(百万円)
510,802
536,871
538,271
544,024
562,639
有利子負債額(注1)
(百万円)
205,400
230,400
230,400
237,400
244,000
純資産額
(百万円)
273,752
273,704
274,917
273,333
285,266
出資総額(純額)(注2)
(百万円)
261,751
261,751
261,751
257,751
268,154
1口当たり分配金等の状況
分配総額
(百万円)
7,578
7,578
7,912
7,916
8,545
配当性向
(%)
103.0
100.6
90.0
76.6
90.4
発行済投資口の総口数
(口)
997,178
997,178
997,178
985,814
4,048,256
1口当たり純資産額(注3)
(円)
274,527
274,479
68,923
69,316
70,466
1口当たり当期純利益
(注3)(注4)
(円)
7,377
7,551
2,203
2,602
2,387
1口当たり分配金
(円)
7,600
7,600
7,935
8,030
2,111
利益分配金
(円)
7,600
7,600
7,935
8,030
2,111
利益超過分配金
(円)
-
-
-
-
-
財務指標
総資産経常利益率(注5)
(%)
1.4
1.4
1.6
1.9
1.7
年換算
(%)
2.9
2.9
3.2
3.8
3.4
自己資本利益率(注6)
(%)
2.7
2.8
3.2
3.8
3.4
年換算
(%)
5.3
5.5
6.4
7.6
6.7
期首純資産額
(百万円)
273,974
273,752
273,704
274,917
273,333
期末自己資本比率(注7)
(%)
53.6
51.0
51.1
50.2
50.7
期末総資産有利子負債比率
(注8)
(%)
40.2
42.9
42.8
43.6
43.4
DSCR(注9)
(倍)
13.9
13.4
12.3
11.6
10.6
金利償却前当期純利益
(注10)
(百万円)
10,143
10,460
10,447
10,519
10,765
支払利息
(百万円)
728
780
846
908
1,015
賃貸NOI(注11)
(百万円)
11,153
11,493
11,604
11,577
11,930
年換算NOI利回り(注14)
(%)
4.5
4.4
4.3
4.3
4.2
賃貸NCF(注12)
(百万円)
9,125
9,494
9,379
9,518
10,324
年換算NCF利回り(注14)
(%)
3.6
3.6
3.5
3.6
3.6
1口当たりFFO(注13)
(円)
9,440
9,708
9,626
9,748
2,415
参考情報
投資物件数(注15)
67
68
67
66
67
テナント数
1,236
1,249
1,242
1,237
1,263
総賃貸可能面積(注16)
(㎡)
497,252.42
510,772.99
502,691.34
508,247.85
488,718.69
稼働率
(%)
98.7
97.1
98.1
98.8
99.2
(注1) 短期借入金+1年内返済予定の長期借入金+1年内償還予定の投資法人債+投資法人債+長期借入金
(注2) 出資総額から出資総額控除額を差し引いた金額を記載しています。
(注3) 2025年6月30日を分割の基準日とし、2025年7月1日を効力発生日として、投資口1口につき4口の割合による投資口の分割を行いました。1口当たり純資産額及び1口当たり当期純利益については、第46期期首に当該投資口の分割が行われたと仮定して算定しています。
(注4) 1口当たり当期純利益は、当期純利益を期間の日数による加重平均投資口数で除することにより算定しています。
(注5) 経常利益/(期首総資産額+期末総資産額)÷2
(注6) 当期純利益/(期首純資産額+期末純資産額)÷2
(注7) (期末純資産額/期末総資産額)×100
(注8) (期末有利子負債額/期末総資産額)×100
(注9) 金利償却前当期純利益/支払利息(投資法人債利息を含みます。)
(注10) 税引前当期純利益-不動産等売却損益-不動産等交換差損益+特別損失+支払利息(投資法人債利息を含みます。)+減価償却費
(注11) (賃貸事業収入-賃貸事業費用)+当期減価償却費
(注12) 賃貸NOI-資本的支出
(注13) (当期純利益-不動産等売却損益-不動産等交換差損益+特別損失+減価償却費+その他不動産関連償却費)/期末発行済投資口の総口数
(注14) 年換算賃貸NOI/物件取得価格、年換算賃貸NCF/物件取得価格
なお、各期の物件取得価格は以下のとおりです。(小数第2位以下を切捨て)
第39期:4,675.2億円(第39期中に売却したJPR博多ビル(準共有持分65.0%)を含みます。)
第40期:4,942.3億円(第40期中に売却したJPR梅田ロフトビル(準共有持分40.0%)及び東京建物本町ビルを含みますが、芝大門センタービルの土地の一部譲渡部分は含みません。)
第41期:4,961.8億円(第41期中に売却したJPR梅田ロフトビル(準共有持分30.0%)を含みます。)
第42期:4,956.0億円(第42期中に売却した五反田ファーストビル及びJPR梅田ロフトビル(準共有持分30.0%)を含みます。)
第43期:5,010.4億円(第43期中に売却したJPRクレスト竹橋ビルを含みます。)
第44期:4,970.4億円
第45期:5,258.4億円
第46期:5,323.4億円(第46期中に売却したJPR千駄ヶ谷ビル及びJPR名古屋伏見ビルを含みます。)
第47期:5,372.9億円(第47期中に売却したJPR上野イーストビルを含みます。)
第48期:5,659.5億円(第48期中に売却したハウジング・デザイン・センター神戸及びJPR横浜日本大通ビル(準共有持分65.0%)を含みます。)
(注15) 複数回にわたって取得した物件についても、それぞれ1棟として物件数を計算しています。
(注16) 契約面積と賃料算定面積が異なる場合、契約面積を賃貸可能面積としています。
(注17) 財務指標上の比率の記載については、小数第2位以下を四捨五入(ただし、配当性向のみ小数第2位以下を切捨て)して記載しています。
(注18) 年換算する場合においては、1年を365日として年換算値を算出しています。
b.事業の状況
(イ)当期の概況
① 投資法人の主な経緯
日本プライムリアルティ投資法人(以下「本投資法人」といいます。)は、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。その後の改正を含みます。)(以下「投信法」といいます。)に基づき、2001年9月14日に設立され、2002年6月14日に発行済投資口の総口数289,600口で株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)不動産投資信託証券市場に上場(銘柄コード8955)しました。その後の公募増資等により、現在の発行済投資口の総口数は4,048,256口となっています。本投資法人は株式会社東京建物リアルティ・インベストメント・マネジメント(以下「本資産運用会社」といいます。)に資産運用業務を委託し、主としてオフィスと商業施設からなる複合型ポートフォリオを効率的に運用することにより投資主価値の最大化を目指してきました。
② 運用環境
当期の日本経済は、物価の上昇により消費者マインドにやや弱さがみられるものの、緩やかな回復基調で推移しました。需要面では、安定した企業業績を背景に設備投資が堅調に進展し、供給面では、生産が底堅く推移しています。ただし、幅広い業種で人手不足の状況が強まっていること及び金融市場で長期金利が徐々に上昇を続けていることから、経済全体への影響が懸念されます。
<オフィス賃貸市場>
オフィス賃貸市場においては、企業業績が好調なこと並びに快適性及び機能性等を備えたオフィス空間への需要が高まっていること等から、テナントの拡張移転及び館内増床等が増加しており、東京都心部の空室率は低下を続けています。また、平均賃料も多くのエリアで上昇しています。東京周辺部及び地方都市においても同様の傾向が見られます。
<商業施設賃貸市場>
本投資法人が投資対象としている都市型商業施設においては、物価上昇を背景にしたコストの上昇及び人手不足等の影響が一部で見られるものの、インバウンド需要の高まり及び賃金の上昇等により来店客数及び売上は増加傾向にあり、賃料増額の事例も増えてきています。
ホテルにおいては、訪日客数が過去最高水準を示すなど旺盛なインバウンド需要に支えられ、引き続き堅調に推移しています。
<不動産売買市場>
金利上昇、建築費の高騰等が懸念される環境下ではあるものの、売買市場においては、国内外投資家の旺盛な投資意欲を背景に、活発な取引が継続されています。特に賃貸市場の好調が続くオフィスについては、賃料上昇への期待感から強く選好される傾向にあり、インバウンドによる宿泊需要が継続するエリアのホテルとともに取引が活発化してきており、本投資法人の投資対象となる優良物件は品薄状態であるなか、厳しい取得環境が続いています。今後の物価、金利動向及び国内外の情勢や各種経済政策が市況に与える影響を引き続き注視しながらも、投資対象資産の多様化及び資産の入替えなど、効果的な物件取得方法の模索が続いています。
③ 運用状況
<新規物件の取得及び資産の入替え>
本投資法人は、主にポートフォリオ・クオリティの向上及び収益の安定成長を目指し、地域・用途の分散に留意しつつ、東京エリアのオフィスを中心に、地方オフィス及び商業施設等についても投資検討を進めています。
当期においては、2025年11月にハウジング・デザイン・センター神戸(譲渡価格72.4億円)を譲渡しました。また、12月にはグランフロント大阪(うめきた広場・南館)(準共有持分4.6%、取得価格92億円)、グランフロント大阪(北館)(準共有持分4.6%、取得価格80億円)、FUNDES蒲田(取得価格80.1億円)、ホテルグレイスリー浅草(取得価格67億円)の4物件を取得し、JPR横浜日本大通ビルの持分65.0%(持分相当の譲渡価格28.79億円)を譲渡しました。なお、グランフロント大阪の準共有持分は2021年12月に取得した4.9%と併せて9.5%となります。この結果、2025年12月末時点における保有資産残高は67物件、5,568億円(取得価格ベース)、総賃貸可能面積は488,718㎡、テナント数は1,263となっています。
<保有資産の運用管理>
当期のオフィス賃貸市場は、上記運用環境に記載のとおり、堅調なオフィス需要を背景にテナントの拡張移転や館内増床等の前向きなニーズが増加傾向にあることから、空室率は低下しています。このようななか、本投資法人はポートフォリオ全体の安定した収益及び稼働率の確保を目指し、プロパティ・マネジメント会社及び仲介会社と緊密な連携を図り、戦略的なリーシング活動による新規テナントの誘致及び既存テナントの更なる満足度向上に努めました。その結果、期末稼働率は前期末と比較して0.4ポイント上昇し99.2%となり、引き続き高い水準を維持しました。また、賃料も増額基調を維持しました。
管理面では、「働く人が満足する空間の創造」を目指して設定している本投資法人のブランドコンセプト「A/3S(Amenity/Service, Safety, Save Energy)」に基づき、テナントニーズを踏まえたバリューアップ工事を計画的に実施しています。
また、環境に対する様々な取組みを行っています。工事面においてはCO2の排出量削減への取組みとして効果が期待できる照明器具LED化、空調機更新、受変電設備更新、昇降機更新、トイレ改修及び遮熱フィルム貼付工事等を複数ビルで実施しました。
環境認証の取得についても継続的に進めています。当期末時点において、「CASBEE不動産評価認証(注1)」については、1物件の新規取得を含む計43物件で認証を取得しています。「DBJ Green Building認証(注2)」については、計6物件で認証を取得しています。また、「BELS評価(注3)」については、1物件の新規取得を含む計5物件(ZEB(注4)認証種別における、1物件のZEB Oriented認証(注5)、及び1物件(新規取得)のZEB Ready認証(注6)を含みます。)で認証を取得しています。
これらの認証取得に加えて環境への取組みが評価された結果、2025年の「GRESBリアルエステイト評価(注7)」では、12年連続で最高位の「Green Star」の評価を取得しており、総合スコアでの相対評価による「GRESBレーティング」においても、最上位評価である「5スター」の評価を7年連続で獲得しています。
(注1)建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)の略で、国土交通省の主導のもと、日本で開発・普及が進められている建物の総合的な環境性能を評価するシステム。
(注2)ビルの環境性能に加えて、防災や防犯、及び不動産を取り巻く様々なステークホルダーからの社会的要請に配慮した不動産(「Green Building」)の普及促進を目的に、株式会社日本政策投資銀行が独自に開発したスコアリングモデルにより評点化を行い、その上で時代の要請に応える優れた不動産を選定する認証制度。
(注3)建築物省エネルギー性能表示制度(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)の略で、国土交通省によって制定された「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、第三者機関が非住宅建築物の省エネルギー性能の評価及び表示を適確に実施することを目的とした性能表示制度。
(注4)Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物。
(注5)省エネルギー実現に向けた措置を講じ、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」における基準一次エネルギー消費量より40%以上削減した、延床面積1万平方メートル以上の特定用途建築物。
(注6)再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減に適合した建築物。
(注7)GRESBとは、不動産会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測る年次のベンチマーク評価及びそれを運営する組織の名称であり、2009年に欧州の主要年金基金のグループを中心に創設。GRESBリアルエステイト評価は、そのうち既存物件運用を主業務とする不動産会社・ファンドを評価対象としたもの。
<資金調達の状況>
本投資法人は、当期において、投資口の追加発行(後記「(5)投資法人の出資総額」をご参照下さい。)により、104億円を調達し、新規物件の取得資金等に充当しました。
また、財務基盤を更に強固なものとするため、調達期間の長期化及び返済期日の分散化を重視した調達に取り組んでいます。当期は期中に返済した有利子負債の借換え資金(短期借入金を除きます。)として190億円の調達を行いました。
当期末の借入金残高は2,161億円、投資法人債残高は279億円、有利子負債残高は2,440億円となり、当期末の総資産有利子負債比率(LTV)(注1)は43.4%、長期固定金利比率(注2)は86.7%、平均デットコスト(注3)は0.92%、平均残存年数(注4)は4.4年となっています。
また、コミットメントラインは、240億円の極度額を金融機関6行と設定しています。
当期末時点の本投資法人の発行体格付は以下のとおりです。
■発行体格付(当期末現在)
信用格付業者
発行体格付
(アウトルック)
株式会社日本格付研究所(JCR)
AA(安定的)
株式会社格付投資情報センター(R&I)
AA-(安定的)
(注1)総資産有利子負債比率(LTV):(借入金残高+投資法人債残高)÷総資産額
(注2)長期固定金利比率:固定金利の長期有利子負債額÷全ての有利子負債額
(注3)平均デットコスト:各期に発生した支払利息、投資法人債利息、融資手数料(期限前弁済に係る費用及びコミットメントライン契約に係る費用は除きます。)、投資法人債の発行償却費及び投資法人債管理費の合計を当該期の営業日数で除し、365日を乗じることで年換算した数値÷各期における借入金及び投資法人債の平均残高
(注4)平均残存年数:全ての有利子負債について、当期末から返済期限までの残存期間を各有利子負債残高に応じて加重平均して算出しています。
④ 業績及び分配の概要
このような運用の結果、当期の業績は、営業収益20,346百万円、営業利益10,547百万円、経常利益9,446百万円、当期純利益9,446百万円となりました。
分配金については、「投資法人に係る課税の特例規定」(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15)の適用により利益分配金が損金算入されることを企図し、また、法人税等の発生による投資主負担を最小限に抑えるべく、前期までに内部留保した繰越利益の一部を分配金に充当することとしています。これに加え、当期は過年度に計上した「投資法人の計算に関する規則」(平成18年内閣府令第47号。その後の改正を含みます。)に定める買換特例圧縮積立金(以下「買換特例圧縮積立金」といいます。)の一部46百万円を取り崩し分配金に充当する一方、「特定の資産の買換えの場合の課税の特例」(租税特別措置法第65条の7)により946百万円を圧縮積立金として内部留保することとしました。この結果、投資口1口当たりの分配金は2,111円となりました。
(ロ)今後の運用方針及び対処すべき課題
当面の日本経済は、雇用及び所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、現在、工事資材の高止まり及び人手不足等により工事価格の上昇及び工事期間の長期化等が生じています。また、米国の通商政策の動向及び国内外の金融資本市場の変動等の影響にも留意する必要があります。
オフィス賃貸市況においては、移転及び増床ニーズの増加並びに新築優良物件の市場への供給が限定的であること等を反映して、引き続き良好な状況が続くことが見込まれます。なお、本投資法人においては、積極的なバリューアップ工事及びきめ細やかな管理対応等を通じてテナント満足度の向上に注力しており、引き続き保有物件の競争力向上に努めます。
売買市場においては、国内外の景気の動向が賃貸市況に与える影響を踏まえつつ、物件収益の成長可能性を見極めることが重要となっています。引き続き低利回りの環境が継続している現状を踏まえると、中長期保有を前提とする不動産投資では厳選投資のスタンスを堅持していく必要があります。
① 新規物件の取得及び資産の入替え
今後も、ポートフォリオ・クオリティを向上させるとともに、長期的な成長力・安定性を高めるため、東京エリアのオフィスへの重点投資を継続する方針です。オフィス売買市場は取引利回り、期待利回りの水準は依然として低く品薄状態も継続しています。今後も賃貸市況の動向を注視していく必要がありますが、本投資法人は取得に際しては物件の安定性及び成長性について十分な検証を行います。また、商業施設等については、ポートフォリオ全体の収益の安定性を補完するため、一定水準の安定収益を維持できる優良物件に厳選投資します。検討にあたっては、綿密な市場調査、物件精査の下に価格交渉を行い、合理的な条件で新規物件を取得します。
また、本資産運用会社のスポンサーである東京建物株式会社(以下「スポンサー」ということがあります。)と連携して、情報収集を積極的に行い、市場動向を的確に把握し、将来性を含めた投資価値を精査した上で、投資判断を行います。
なお、資産の入替えにつきましても、ポートフォリオ・クオリティと長期的な成長力を高めるべくタイミングを勘案しつつ検討を進めます。
② 保有資産の運用管理
本投資法人は、引き続き戦略的なリーシング活動により新規テナント誘致を進めるとともに、テナントの満足度向上を図ることにより、既存テナントの退出防止、増床及び賃料増額改定につなげ、中長期にわたり安定的な収益確保を目指します。具体的には、以下の方針にて運用管理を行います。
・プロパティ・マネジメント会社及び仲介会社との連携強化。
・現状の賃貸マーケットを考慮した条件提案及び意思決定の迅速化。
・物件収益の改善及びテナント満足度向上を企図した戦略的なバリューアップ工事。
・社会的要請の高い、BCP対応・環境配慮対応の強化。
③ 資金調達
本投資法人は、保守的かつ安定性を重視した財務運営を基本方針とし、適切なLTVコントロールを行っていきます。借入れについては、将来の金融環境の変化に伴うリファイナンスリスクを軽減することを目指し、安定性を重視した一層の長期化を推し進め、有利子負債の返済期日の分散及び各期返済額の低減を図っていきます。また、資金調達の多様化を目的に投資法人債の発行による資金調達にも取り組んでいきます。
(ハ)サステナビリティに関する取組み
本資産運用会社は、本投資法人の中長期的な安定成長のためには、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」などに関する社会からの要請に応えることが不可欠であると考えており、「社会課題の解決」と「投資主価値の最大化」を高い次元で両立することを目指しています。本資産運用会社は、2017年に「サステナビリティ方針」を制定し、社会の持続可能性(サステナビリティ)向上への取組みを推進しています。
<サステナビリティ方針>
本資産運用会社は企業理念(誠実と責任)をもとに、ステークホルダー(投資家やテナント等)と対話・協働して、社会および投資運用業の持続的な発展に貢献するとともに、本投資法人の投資主価値の最大化を目指します。
・テナントへの取組み
テナントへ誠実で責任ある対応をするとともに、独自の新しい価値の提供と満足度の向上に努めます。
・環境への取組み
環境問題の重要性を認識し、運用資産のマネジメントを通し環境負荷の低減を目指します。
-省エネルギー・温室効果ガス(GHG)の削減を推進します。
-水資源の有効活用や廃棄物の3R(リユース・リデュース・リサイクル)化に努めます。
-環境に関する情報の積極的な開示に取り組みます。
・地域コミュニティへの取組み
運用資産を通して地域コミュニティとの連携に取り組み、地域の価値向上に貢献します。
・従業員への取組み
従業員一人一人を尊重して働きやすい職場の実現を推進し、プロフェッショナルとしての専門性を高めます。
・社会への取組み
法令および社会のルールを遵守し、高い倫理観をもって、透明性および客観性を重要視して事業に取り組みます。
<サステナビリティ推進体制(ガバナンス)>
本資産運用会社は、サステナビリティに係る取組みを継続的・組織的に推進するため、「サステナビリティ委員会」を設置しています。代表取締役社長を委員長とするマネジメントクラスで構成される「サステナビリティ委員会」とその下部組織である「事務局」からなり、サステナビリティ委員会は原則として年4回以上開催しています。サステナビリティ委員会では、サステナビリティ目標の設定、活動のモニタリングと評価、役職員への啓蒙などの活動を実施しており、主な活動内容については、本投資法人の役員会および本資産運用会社の取締役会に報告しています。
また、サステナビリティ専門部署(サステナビリティ推進グループ)を設置し、同委員会の運営や各マテリアリティ(重要課題)の推進に取り組んでいます。
画像は省略されています<マテリアリティ(気候変動への対応)>
本投資法人と本資産運用会社は、事業を通じて解決していく社会的課題として、マテリアリティ(重要課題)の一つに「気候変動への対応」を特定しているほか、「2030年GHG総排出量46.2%削減(2019年比)」及び「2050年ネットゼロ」を目標として設定しています。これらの目標は、2015年に国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定が求める水準と整合し、科学的根拠に基づくものであるとして、Science Based Targetsイニシアティブ(SBTi)による認定を2023年4月に取得しています。
また、気候変動がもたらすリスク(以下「気候変動リスク」といいます。)と機会を把握し、それが事業に与える影響を検討するために、2030年及び2050年における複数のシナリオ分析を実施し、リスクと機会ごとに財務的影響を分析・検証しました。これらの詳細な検証結果は本投資法人のホームページに開示しています。
① リスク及び機会の特定
分類
リスク/
機会
項目
財務影響
(営業収益ベース)
(注1)
1.5℃/2℃
シナリオ
~4℃
シナリオ
2030
2050
2030
2050
移
行
リ
ス
ク
(注2)
と
機
会
政策・
法規制
リスク
炭素税導入によるコストの増加
大
大
大
大
GHG排出量削減目標達成の対策コスト
中
大
中
大
炭素税導入に伴う工事費用の増加
大
大
大
大
気候変動に伴う規制強化での建物管理委託費用の増加
中
中
小
小
環境認証取得に係る費用の増加
中
中
小
小
機会
GHG排出量削減目標達成に伴う炭素税コストの削減
大
大
大
大
市場
リスク
省エネルギー関連投資額の増加
中
中
小
小
エネルギー価格上昇によるオペレーションコストの増加
中
中
中
大
グリーンビル対応の遅れによる稼働率の低下
大
大
小
小
グリーンビル対応の遅れによる賃料の減少
中
大
小
小
グリーンビル対応の遅れによる資金調達コストの増加
中
大
小
小
機会
省エネルギー工事によるエネルギーコストの削減
中
中
小
小
グリーンビル対応による稼働率の上昇
大
大
小
小
グリーンビル対応による賃料の増加
中
大
小
小
グリーンビル対応による資金調達コストの削減
中
大
小
小
物
理
リ
ス
ク
(注3)
と
機
会
急性
リスク
突発的な風水害等による修繕費用の増加
中
中
中
中
機会
水害による損害を損害保険で補う
中
中
中
中
慢性
リスク
損害保険料の増加
中
中
中
中
(注1)財務影響 (営業収益ベース)に関しては、「大:1億円以上、中:101万円以上1億円未満、小:100万円以内」の基準で記載しています。
(注2)移行リスクとは、脱炭素社会への移行に伴って生じるリスク(炭素税・電力・エネルギー価格の予測分析)をいいます。
(注3)物理リスクとは、気候変動そのものによって生じる物理的なリスク(水害の発生等)をいいます。
② リスク管理
本資産運用会社は、気候変動リスクについては、運用資産の運用・管理に係るリスクと統合し、複数の検証システムを通じてモニタリングし管理しています。リスク管理規程に基づき、その実効性を高めるためにリスク管理委員会を設置しており、リスクの洗い出し・評価対応・モニタリング・改善の施策等について審議しています。同委員会における審議の内容、経過並びに結果については本資産運用会社の取締役会に報告されます。
また、サステナビリティ委員会では、サステナビリティ事務局が作成する気候変動リスクモニタリングシートを用いて、気候変動リスクについて確認しています(気候変動リスクに関しては、後記「3 投資リスク a. リスク要因 (ニ) 不動産及び信託の受益権に関するリスク ⑥ 地球温暖化対策に関するリスク」及び「b. 投資リスクに対する管理体制」を併せてご参照下さい。)。
③ 指標と目標
本投資法人と本資産運用会社は、事業活動が気候変動に与える影響の軽減に努めるため、科学的根拠に基づくGHG排出量削減に関する中期・長期目標を設定しています。
<GHG排出量削減目標と実績>
目標
目標年
基準年
対象範囲
数値目標
2024年実績
(基準年比)
中期
2030年
2019年
Scope1+2+3
46.2%削減
22.3%削減
長期
2050年
2019年
Scope1+2+3
ネットゼロ
(単位:t-CO₂)
2019年
(基準年)
2024年
Scope1
1,331
1,432
Scope2(マーケット基準)
15,283
10,860
Scope3
58,317
45,947
カテゴリー1
5,906
6,475
カテゴリー2
9,942
14,442
カテゴリー3
3,098
2,890
カテゴリー5
2,894
2,236
カテゴリー13(マーケット基準)
36,477
19,904
合計
74,931
58,239
(ニ)情報開示
本投資法人は、積極的な自主開示の推進を運営方針のひとつに掲げており、東京証券取引所規則や法令等で定められている情報開示に加えて、投資判断にあたって有用と考えられる情報を自主的に開示しています。自主開示の手段として、ホームページ(https://www.jpr-reit.co.jp/)を活用しており、ポートフォリオ全物件の月次稼働率やヒストリカルデータ等の情報の掲載、サステナビリティ情報の拡充及び証券アナリスト向け決算説明会の動画配信を行っています。
(ホ)決算後に生じた重要な事実
資産の譲渡について
① 2026年1月9日付で、以下の資産を譲渡しました。
<南麻布ビル>
資産の種類 : 不動産
譲渡価格 : 5,100百万円
契約締結日 : 2025年11月28日
譲渡日 : 2026年1月9日
譲渡先 : 東京建物株式会社
損益に及ぼす影響 : 第49期(自 2026年1月1日 至 2026年6月30日)において、営業収益として不動産等売却益約1,201百万円を計上する予定です。
② 2026年1月23日付で、以下の資産を譲渡しました。
<JPR横浜日本大通ビル(準共有持分35.0%)>
資産の種類 : 信託受益権
譲渡価格 : 1,550百万円
契約締結日 : 2025年11月28日
譲渡日 : 2026年1月23日
譲渡先 : 国内の特定目的会社(注)
損益に及ぼす影響 : 第49期(自 2026年1月1日 至 2026年6月30日)において、営業収益として不動産等売却益約595百万円を計上する予定です。
(注)譲渡先の承諾を得られていないため、詳細については開示していません。なお、本投資法人及び本資産運用会社と譲渡先との間には、資本関係、人的関係及び取引関係はなく、また、譲渡先は、本投資法人及び本資産運用会社の関連当事者にも該当しません。
<参考情報>
資産の取得について
第48期終了後、本書の日付までに以下の資産を取得しました。
<JPR堂島ウエスト(追加取得)>
物件概要
所在地 : 大阪府大阪市北区堂島二丁目3番5号(住居表示)
所有形態 : 土地:所有権(共有:持分割合4.6%)
建物:区分所有権
敷地面積 : 938.01㎡(持分対応43.10㎡)
延床面積 : 4,977.52㎡(持分対応228.69㎡)
構造 : 鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付7階建
竣工年月 : 1996年7月
テナント数 : 1
総賃貸可能面積 : 147.91㎡
総賃貸面積 : 147.91㎡
稼働率 : 100.0%
売買条件
売買価格 : 105百万円
資産の種類 : 不動産
契約締結日 : 2026年3月25日
取得日 : 2026年3月26日
(注)テナント数、総賃貸可能面積、総賃貸面積、稼働率は契約締結日現在の数値を記載しています。