1部 ファンド情報
1章 ファンドの状況
1. 投資法人の概況
1) 主要な経営指標等の推移
(1)【主要な経営指標等の推移】
a.主要な経営指標等の推移
(注1)2023年2月1日開催の投資主総会の決議により、決算期を各年3月末日及び9月末日から各年2月末日及び8月末日に変更しています。これに伴い、第42期は2022年10月1日から2023年2月28日までの5か月決算となっています。
(注2)2023年3月1日を効力発生日として投資口1口につき2口の割合による投資口分割を行っているため、1口当たり純資産額及び1口当たり当期純利益については第41期期首に当該投資口分割が行われたと仮定して算定しています。
(注3)1口当たり当期純利益は、当期純利益を期間の日数による加重平均投資口数で除することにより算定しています。
(注4)自己資本比率=期末純資産額/期末総資産額
(注5)自己資本利益率=当期純利益/{(期首純資産額+期末純資産額)÷2}
b.当期の概況
(ⅰ)投資法人の主な推移
森トラストリート投資法人(以下「本投資法人」といいます。)は、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。その後の改正を含みます。以下「投信法」といいます。)に基づき、森トラスト・アセットマネジメント株式会社(2003年11月1日に日本総合ファンド株式会社より商号変更)(以下「本資産運用会社」といいます。)を設立企画人として、2001年10月2日に設立されました。
2002年3月28日付の事業用借地契約にかかる土地「フレスポ稲毛」(信託受益権)の取得を皮切りに、運用を開始しました。
以降、着実に資産規模を拡大し、2004年2月13日に東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場(銘柄コード8961)しました。
その後、2023年3月1日付で、本投資法人を吸収合併存続法人、森トラスト・ホテルリート投資法人(以下「MTH」といいます。)を吸収合併消滅法人とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を行い、商号を「森トラスト総合リート投資法人」から「森トラストリート投資法人」へ変更しました。
当期末現在の本投資法人の資産総額は471,002百万円となり、合計20物件の保有不動産を運用しています。
(ⅱ)投資環境と運用実績
当期の日本経済は、物価上昇の影響を受けつつも、企業収益が高水準を維持し、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな景気回復が続きました。
不動産流通市場は、日本銀行による政策金利の継続的な引き上げ等、国内外の金融政策の先行きに不透明感はあるものの、国内外投資家の物件取得意欲は引き続き旺盛であり、底堅く推移しています。このような状況の中、投資対象となる優良物件の売却は限定的であり、競争の激しい物件取得環境が継続しています。
不動産賃貸市場のうち、オフィスビルについては、好調な企業業績による業容拡大、人材確保、立地及び設備・仕様の改善等を理由とした前向きな移転・拡張により、空室率は引き続き低下傾向にあり、需要の拡大に伴い賃料水準も上昇傾向にあります。
ホテルについては、中国政府による渡航自粛要請の影響により、2025年11月以降の中国からの訪日客数は減少したものの、訪日外客数全体としては高水準で推移し、2025年の年間では過去最多を更新する等、インバウンド需要が引き続き市場を牽引しました。
商業施設については、日常消費に支えられるスーパーやコンビニの販売額は増加基調を維持した一方で、訪日中国人の減少等を背景に、インバウンド消費が軟調に推移したこと等により百貨店の販売額が前年割れとなる等、業態により販売動向に差がみられました。
東京の高級賃貸住宅については、新規供給が限定的である一方で需要は維持され、安定した稼働のもと、賃料水準は上昇基調で推移しました。
このような投資環境の中、本投資法人は、運用資産における稼働率の維持向上を図り、賃料の改定交渉を粘り強く進めるとともに、ホテルについては、各ホテルの事業環境や運営状況を把握したうえで、収益向上を図るための協議をホテル側と継続的に行いました。
当期末現在における本投資法人の保有不動産は20物件、帳簿価額の総額は441,966百万円となり、当期末時点での保有不動産の稼働率は99.6%(99.2%(注))となりました。
(注)括弧内には、賃料収入がサブリース契約の賃料に連動する仕組みのマスターリース契約またはパス・スルー型のマスターリース契約を採用している物件について、サブリース契約に基づく稼働率を基に算出した稼働率を記載しています。
(ⅲ)サステナビリティ向上への取組み
本投資法人及び本資産運用会社は、資産運用業務における環境に対する配慮、社会への貢献及び組織のガバナンス強化といったサステナビリティ向上への取組みが、中長期的な本投資法人の投資主価値向上に必要不可欠であると認識しています。本資産運用会社はこの考え方に沿ったサステナビリティ方針を制定し、本投資法人と一体となってESG(注1)に関する取組みを推進しています。
本資産運用会社は、サステナビリティに係る方針や目標を組織的に推進するため、サステナビリティ推進会議を定期的に開催し、今後のESGに関する具体的な目標設定や進捗状況の確認、保有不動産の継続的な環境モニタリング評価等を実施しています。また、本投資法人のホームページ等を通じてサステナビリティに関する取組状況等の情報について、広く開示することに努めています。
「E:環境」に関しては、省エネ性能の高い設備の導入による省エネルギーと温室効果ガス排出削減、節水や廃棄物削減等による限りある資源の有効活用等、ポートフォリオにおける環境負荷低減に取り組んでいます。当期は「東京汐留ビルディング」「仙台MTビル」「大崎MTビル」「御堂筋MTRビル」「新横浜TECHビル」「ヒルトン小田原リゾート&スパ」及び「イトーヨーカドー湘南台店」における照明器具のLED化や「ホテルオークラ神戸」及び「コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション」における空調機器の更新等、設備の省エネ化を進めました。また、環境認証・評価の取得にも取り組んでおり、当期は「シャングリ・ラ 東京」でDBJ Green Building認証(注2)を取得しました。当期末現在における環境認証・評価取得物件は合計19物件、ポートフォリオ(底地を除く)における環境認証・評価取得割合は物件数ベース、賃貸可能面積ベースともに100%(注3)となっています。
「S:社会」に関しては、保有不動産の社外関係者との間に良好な関係を構築し、連携・協働していくことで、テナント満足度の向上や地域社会の持続的な発展に貢献できるように努めています。また、本資産運用会社の従業員がその能力を最大限に発揮できるよう健康で働きやすい職場環境づくりに努めています。
「G:ガバナンス」に関しては、本資産運用会社において、利益相反の防止、リスク管理及び法令遵守を徹底する体制を構築しています。本投資法人と利害関係人(注4)との取引において本投資法人の利益が害されることを防止すること等を目的とする利害関係人取引規程を制定し、一定の条件の取引については、外部委員が参加するコンプライアンス委員会及び投資委員会による承認、並びに取締役会及び本投資法人役員会による承認を条件とする運用を行っています。また、全役職員に対して定期的にコンプライアンス研修や情報セキュリティ研修等の教育・啓発活動を実施し、役職員のコンプライアンス意識の向上を図っています。
本投資法人は、2017年よりGRESBリアルエステイト評価(注5)に参加しており、2025年GRESBリアルエステイト評価において、ESG推進のための方針や組織体制、保有物件での環境パフォーマンス、テナントとの取組み等において優れた参加者に与えられる「グリーンスター」評価を9年連続で獲得しました。なお、総合スコアのグローバル順位により格付されるGRESBレーティングにおいては「4スター」となりました。
また、ESG情報開示の充実度を測るGRESB開示評価において、環境配慮やサステナビリティの取組みに関する情報開示が優れていることが評価され、5段階のうち最上位の「A」評価を6年連続で取得しています。
本投資法人は、ESGに関してREITセクターで認識される課題、外部のESG評価、近年の社会動向等を考慮して課題を抽出し、本投資法人のこれまで及び現在の主な取組み並びに重要性・優先度を踏まえ、重点的に取り組むべき課題であるマテリアリティを特定しています。今後も、マテリアリティへの取組みを通じて、「SDGs(持続可能な開発目標)」の目標達成への貢献を目指していきます。
(注1)「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものです。
(注2)「DBJ Green Building認証」とは、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が創設した認証制度であり、物件の環境性能に加えて、防災やコミュニティへの配慮等を含む様々なステークホルダーへの対応を含めた総合的な評価に基づき、社会・経済に求められる不動産を評価・認証し、その取組みを支援するものです。
(注3) 複数の用途を含む物件において特定の用途のみ認証を取得している場合においても、当該物件の全体の賃貸可能面積で環境認証・評価取得割合を計算しています。
(注4) 利害関係人とは、後記「1 投資法人の概況/(4) 投資法人の機構/c. 投資運用の意思決定機構/(ⅱ)本投資法人の投資や資産運用にかかる諸方針等は、下記のプロセスに従い、前記(ⅰ)の各社内組織による審議等を経たうえで決定、実行されます。/(ホ)利害関係人取引の意思決定プロセス/(a)利害関係人の定義」をご覧ください。
(注5)「GRESBリアルエステイト評価」とは、欧州の年金基金グループが中心となって創設した不動産会社・運用機関のサステナビリティ配慮を測るベンチマークをいいます。
(ⅳ)資金調達の概要
当期においては、期限の到来した既存借入金計22,500百万円の返済に充てるため、計22,500百万円の借入れを実施しました。このうち、1,500百万円については、グリーンファイナンス・フレームワークに基づくグリーンローンとして借入れを行っています。
この結果、当期末現在の有利子負債残高は220,500百万円、うち短期借入金は23,500百万円、長期借入金は183,000百万円(1年内返済予定の長期借入金37,500百万円を含みます。)、投資法人債は14,000百万円(1年内償還予定の投資法人債4,000百万円を含みます。)となっています。なお、期末総資産有利子負債比率は46.8%(前期末46.8%)となっています。
また、2026年2月28日現在、本投資法人は株式会社日本格付研究所(JCR)からAA(格付の見通し:安定的)の長期発行体格付を取得しています。
(ⅴ)業績及び分配の概要
このような運用の結果、当期の業績は、営業収益11,584百万円、営業利益7,421百万円となり、そこから借入金にかかる支払利息等を控除した経常利益は6,547百万円、当期純利益は6,537百万円となりました。
また、分配金については、税制の特例(租税特別措置法第67条の15)の適用により、利益分配金の最大額が損金算入されることを企図して、当期未処分利益に租税特別措置法第65条の7の「特定の資産の買換えの場合の課税の特例」を活用して積み立てた圧縮積立金の取崩額3百万円を加算した金額に対して、投資口1口当たり分配金が1円未満となる端数部分を除く全額を分配することとし、投資口1口当たりの分配金は1,837円となりました。
c.決算後に生じた重要な事実
該当事項はありません。