1部 ファンド情報
1章 ファンドの状況
1. 投資法人の概況
1) 主要な経営指標等の推移
(1)【主要な経営指標等の推移】
①運用状況等の推移
期
決算年月
単位
第32期
2021年7月
第33期
2022年1月
第34期
2022年7月
第35期
2023年1月
第36期
2023年7月
営業収益
百万円
9,154
9,269
9,613
10,156
10,139
(うち不動産賃貸事業収益)
百万円
9,154
9,269
9,613
10,156
10,139
営業費用
百万円
4,852
4,448
4,522
4,831
4,900
(うち不動産賃貸事業費用)
百万円
3,918
3,504
3,550
3,797
3,852
営業利益
百万円
4,302
4,820
5,090
5,324
5,238
経常利益
百万円
3,914
4,410
4,628
4,890
4,811
当期純利益
百万円
3,913
4,408
4,627
4,889
4,810
総資産額
百万円
259,430
260,342
273,789
274,670
274,933
(対前期比)
%
(△0.2)
(+0.4)
(+5.2)
(+0.3)
(+0.1)
純資産額
百万円
134,392
134,522
143,074
143,427
143,294
(対前期比)
%
(△0.3)
(+0.1)
(+6.4)
(+0.2)
(△0.1)
出資総額
百万円
127,344
127,344
135,658
135,658
135,658
発行済投資口の総口数
口
905,073
905,073
934,000
934,000
934,000
1口当たり当期純利益
(注1)
円
4,323
4,871
4,971
5,235
5,150
1口当たり純資産額
円
148,487
148,631
153,185
153,562
153,419
分配金総額
百万円
4,344
4,408
4,627
4,889
4,811
1口当たり分配金
円
4,800
4,871
4,955
5,235
5,151
(うち1口当たり利益分配金)
円
4,800
4,871
4,955
5,235
5,151
(うち1口当たり利益超過分配金)
円
-
-
-
-
-
総資産経常利益率(年換算)
(注2)
%
1.5(3.0)
1.7(3.4)
1.7(3.5)
1.8(3.5)
1.8(3.5)
自己資本利益率(年換算)
(注3)
%
2.9(5.9)
3.3(6.5)
3.3(6.7)
3.4(6.8)
3.4(6.8)
期末自己資本比率
(注4)
%
51.8
51.7
52.3
52.2
52.1
(対前期増減)
(△0.1)
(△0.1)
(+0.6)
(△0.1)
(△0.1)
当期運用日数
日
181
184
181
184
181
配当性向
(注5)
%
111.0
99.9
100.0
99.9
100.0
(その他参考情報)
期末投資物件数
件
50
50
52
52
52
期末総賃貸可能面積
(注6)
㎡
1,301,723.89
1,300,760.62
1,339,006.12
1,376,384.80
1,377,870.99
期末テナント数
件
65
66
70
71
70
期末稼働率
%
98.9
100.0
100.0
100.0
100.0
当期減価償却費
百万円
1,898
1,862
1,879
1,937
1,899
当期資本的支出
百万円
787
410
386
427
359
賃貸NOI
(Net Operating Income)
(注7)
百万円
7,389
7,637
7,949
8,310
8,203
FFO
(Funds From Operations)
(注8)
百万円
6,067
6,281
6,514
6,841
6,727
1口当たりFFO
(注9)
円
6,704
6,940
6,975
7,325
7,203
期
決算年月
単位
第37期
2024年1月
第38期
2024年7月
第39期
2025年1月
第40期
2025年7月
第41期
2026年1月
営業収益
百万円
10,147
10,714
10,738
11,651
11,933
(うち不動産賃貸事業収益)
百万円
10,147
10,037
10,129
10,154
10,215
営業費用
百万円
4,846
4,959
4,893
5,110
5,059
(うち不動産賃貸事業費用)
百万円
3,791
3,847
3,771
3,823
3,749
営業利益
百万円
5,301
5,754
5,844
6,541
6,874
経常利益
百万円
4,862
5,320
5,405
6,100
6,407
当期純利益
百万円
4,861
5,320
5,404
6,099
6,406
総資産額
百万円
273,680
273,833
272,206
271,622
274,137
(対前期比)
%
(△0.5)
(+0.1)
(△0.6)
(△0.2)
(+0.9)
純資産額
百万円
142,401
142,939
140,839
140,342
140,984
(対前期比)
%
(△0.6)
(+0.4)
(△1.5)
(△0.4)
(+0.5)
出資総額
百万円
134,721
134,721
132,069
130,579
130,579
発行済投資口の総口数
口
930,700
930,700
920,721
2,746,163
2,746,163
1口当たり当期純利益
(注1)
円
5,209
1,905
(注10)
1,943
(注10)
2,214
2,332
1口当たり純資産額
円
153,004
51,194
(注10)
50,988
(注10)
51,105
51,338
分配金総額
百万円
4,861
4,932
5,135
5,904
6,316
1口当たり分配金
円
5,223
5,300
(注11)
5,578
(注11)
2,150
2,300
(うち1口当たり利益分配金)
円
5,223
5,300
5,578
2,150
2,300
(うち1口当たり利益超過分配金)
円
-
-
-
-
-
総資産経常利益率(年換算)
(注2)
%
1.8(3.5)
1.9(3.9)
2.0(3.9)
2.2(4.5)
2.3(4.7)
自己資本利益率(年換算)
(注3)
%
3.4(6.8)
3.7(7.5)
3.8(7.6)
4.3(8.7)
4.6(9.0)
期末自己資本比率
(注4)
%
52.0
52.2
51.7
51.7
51.4
(対前期増減)
(△0.1)
(+0.2)
(△0.5)
(△0.0)
(△0.3)
当期運用日数
日
184
182
184
181
184
配当性向
(注5)
%
99.9
92.7
95.0
96.8
98.5
(その他参考情報)
期末投資物件数
件
52
53
52
53
52
期末総賃貸可能面積
(注6)
㎡
1,377,870.99
1,391,854.63
1,380,826.52
1,389,362.97
1,399,752.06
期末テナント数
件
70
73
71
74
71
期末稼働率
%
100.0
100.0
99.5
99.4
95.9
当期減価償却費
百万円
1,885
1,875
1,865
1,837
1,817
当期資本的支出
百万円
376
734
646
814
636
賃貸NOI
(Net Operating Income)
(注7)
百万円
8,254
8,090
8,236
8,173
8,294
FFO
(Funds From Operations)
(注8)
百万円
6,760
6,543
6,673
6,444
6,517
1口当たりFFO
(注9)
円
7,264
7,031
7,249
2,347
2,373
(注1)1口当たり当期純利益は、期中平均投資口数により算出しています。
(注2)総資産経常利益率=経常利益÷((期首総資産額+期末総資産額)÷2)×100(小数第2位以下を四捨五入して記載しています。)
(注3)自己資本利益率=当期純利益÷((期首純資産額+期末純資産額)÷2)×100(小数第2位以下を四捨五入して記載しています。)
(注4)期末自己資本比率=期末純資産額÷期末総資産額×100(小数第2位以下を四捨五入して記載しています。)
(注5)配当性向=分配金総額÷当期純利益×100(小数第2位以下を切り捨てて記載しています。)
(注6)期末総賃貸可能面積については、各不動産等に関する賃貸借契約(賃貸借契約の効力発生前に係る短期間の使用貸借契約を含みます。)に記載された建物に係る賃貸面積等をもとに算出しています。以下各記載において同じです。
(注7)賃貸NOI=不動産賃貸事業収益-不動産賃貸事業費用+当期減価償却費+当期固定資産除却損
(注8)FFO=当期純利益+当期減価償却費+当期固定資産除却損+不動産等売却損-不動産等売却益-不動産等交換差益
(注9)1口当たりFFO=FFO÷発行済投資口の総口数(小数第1位以下を四捨五入して記載しています。)
(注10)日本ロジスティクスファンド投資法人(以下「本投資法人」といいます。)は、2025年1月31日を基準日、2025年2月1日を効力発生日として、投資口1口につき3口の割合による投資口の分割を行いました。第38期期首に当該投資口分割が行われたと仮定して1口当たり当期純利益及び1口当たり純資産額を算定しています。
(注11)第38期期首に当該投資口分割が行われたと仮定して算定した1口当たり分配金は第38期1,766円、第39期1,859円です(小数第1位以下を切り捨てて記載しています。)。
(注12)百万円単位で記載している金額は、百万円未満を切り捨てて記載しています。
②当期の概況
(イ)投資法人の主な推移
本投資法人は、主として首都圏、近畿地域、中部地域及び九州地域に所在する物流施設の用途に供されている不動産等資産(不動産等資産については、後記「2 投資方針 (2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」をご参照下さい。以下同じです。)を投資対象とする、我が国で初めての「物流REIT」です。投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。その後の改正を含みます。)(以下「投信法」といいます。)に基づき、三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)を設立企画人として、2005年2月22日に設立され、同年5月9日に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)不動産投資信託証券市場に上場(銘柄コード8967)しました。
当期末(2026年1月31日)時点で合計52物件・取得価格の総額293,467百万円の不動産等を運用しており、総資産額は274,137百万円となっています。
(ロ)投資環境と運用実績
当期の日本経済は、一部に弱めの動きもみられますが緩やかに回復しており、海外経済は各国の通商政策等の影響を受けつつも、総じて緩やかに成長しています。輸出や鉱工業生産は基調として横ばい圏内の動きが続いています。企業収益は全体として高水準を維持しており、業況感も良好な水準で推移しています。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。また、物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、米などの食料品価格上昇の影響等から、足もとは2%台半ばとなっています。
東証REIT指数については、財政拡張・利上げ加速観測を背景に、2025年末にかけて長期金利が2%超まで上昇したものの、賃料増額期待や増配戦略の進捗が下支えとなり、同指数は底堅さを維持しました。しかしながら、2026年1月末にかけて長期金利が更に上げ幅を早めた段階から同指数は反落し、軟調な展開となりました。引き続きJ-REIT市場全体はNAVに対して割安な状況が継続しています。
物流施設の賃貸市場について、首都圏では、既存物件における空室在庫の影響が残るものの、一般消費財分野を中心とした大型成約がみられ、空室率は緩やかな改善が続いています。賃料については、国道16号エリアや圏央道エリアでは横ばいで推移した一方で、空室率が低下した東京ベイエリアや外環道エリアでは上昇がみられる状況となっています。近畿圏においては、従前より強い引き合いが継続している中心部に加え、湾岸部や周辺部でも空室は減少しているため、交通アクセスや使い勝手の良い施設では賃料水準の底上げが進んでいます。中部圏においては、新規供給が高水準であるものの、製造業、飲料、日用品など幅広い業種で成約がみられ、既存施設の空室消化も進んでおり、需要が旺盛な地域では賃料水準が総じて上昇基調となっています。九州圏においては、福岡市周辺における新規供給が乏しく、空室消化が進みました。賃料は徐々に上昇しており、これまでの割安感が解消されつつあるなか、足元では横ばいで推移しています。
このような環境下において、本投資法人は1口当たり分配金と1口当たりNAVの安定と持続的な成長を引き続き追求しています。本投資法人の投資口価格は1口当たりNAVに対してディスカウントされた水準であり、本資産運用会社としては投資口価格の回復が重要な課題であると認識しています。当期は2025年1月に決定した交換取引の一部を完了したほか、同年12月には石狩物流センター(準共有持分45%)を取得し、更に同月に門真物流センターを売却しました。他方、2025年9月から2026年3月にかけて自己投資口の取得プログラムを継続しています。ポートフォリオ運用についても、継続して複数の既存物件において賃料増額での再契約を締結しており、力強い利益成長を実現しています。
(ハ)財務戦略の概要
本投資法人では、有利子負債調達にあたり、金利固定化及び返済期限の分散を推進し、金利上昇への耐性を高めています。当期末時点での有利子負債総額は121,100百万円、LTV(Loan to Value)は総資産ベース(注1)で44.2%、鑑定評価額ベース(注2)で29.0%となっており、引き続き安定的な財務運営を行っています。
また、当期においては、本投資法人の1口当たりNAV(純資産価値)等の水準に照らして、投資口価格が割安で推移しており、中長期的な投資主価値向上を企図して、2025年9月及び2025年12月に自己投資口の取得を決定しました。自己投資口の取得は、証券会社との自己投資口の取得に係る買付契約に基づく東京証券取引所における市場買付けにより行い、当期中に取得した投資口の全てについて2026年1月30日に消却を行うことを決定しておりましたが、当期において取得した投資口の総数は0口であったため、消却は行っておりません。
本投資法人が主たる投資対象とする物流施設は、他アセットと比較して一般的に土地建物価格に占める建物価格比率が高く減価償却費が大きい一方、建物価格に占める設備割合が低く資本的支出が限定的との特性を有しています。かかる特性を踏まえ、本投資法人は、効率的なキャッシュ・マネジメント及び投資主還元を実施するため、一定のルールのもと利益を超える金銭の分配(以下「利益超過分配」といいます。)を実施します(注3)。なお、利益超過分配は、本投資法人において買換特例圧縮積立金、圧縮積立金その他の内部留保が存在する場合には実施しません(注4)。また、継続的な利益超過分配の水準は、当面の間、当該営業期間の減価償却費の60%に相当する金額を上限としますが、一時的に1口当たり分配金の水準が一定程度減少することが見込まれる場合には、1口当たり分配金の金額を平準化することを目的として、継続的な利益超過分配に加え、一時的な利益を超えた金銭の分配(以下「一時的な利益超過分配」といいます。)を行うことがあります。ただし、継続的な利益超過分配と一時的な利益超過分配の合計額は、当該営業期間の減価償却費の60%に相当する金額を限度とします。
(注1)総資産ベースLTV(%)=有利子負債残高÷総資産額×100(小数第2位以下を四捨五入しています。)
(注2)鑑定評価額ベースLTV(%)=有利子負債残高÷期末算定価額×100(小数第2位以下を四捨五入しています。)
(注3)ただし、経済環境、不動産市場及び賃貸市場等の動向、運用資産(後記「(3)投資法人の仕組み ②本投資法人及び本投資法人の関係法人の名称、運営上の役割及び関係業務の概要」に定義されます。以下同じです。)の状況並びに財務の状況(対象営業期間の純利益、キャッシュ・フロー、不動産等の売却益や解約違約金等の一時的な収益の発生状況、利益超過分配を含めた対象営業期間に係る分配総額、本投資法人の負債割合(資産総額に対して借入額及び投資法人債発行額の残高が占める割合をいいます。)及びLTV(運用資産の鑑定評価額等に対して借入額及び投資法人債発行額の残高等が占める割合をいいます。)、信用格付の状況等)等を踏まえ、本投資法人が不適切と判断した場合には利益を超える金銭の分配の全部又は一部を行わないことがあります。
(注4)ただし、対象営業期間の末日時点の内部留保を全額取り崩す場合には、当該対象営業期間において追加的に利益超過分配を実施することがあります。
<当期末時点の格付の状況>
信用格付業者
内容
株式会社格付投資情報センター
(R&I)
発行体格付
AA-
(格付の方向性:安定的)
長期個別債務格付
第3回無担保投資法人債
AA-
第5回無担保投資法人債
AA-
株式会社日本格付研究所
(JCR)
長期発行体格付
AA
(格付の見通し:安定的)
債券格付
第6回無担保投資法人債
AA
第7回無担保投資法人債
(グリーンボンド)
AA
(ニ)業績及び分配
上記のとおり運用を行った結果、当期の実績は営業収益11,933百万円、営業利益6,874百万円、経常利益6,407百万円、当期純利益6,406百万円となりました。
なお、当期は市川物流センターⅡの土地(準共有持分18%)の譲渡に伴い、過年度に計上した買換特例圧縮積立金の一部(443百万円)を取り崩しました。また、租税特別措置法第65条の8「特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例」の適用により、2025年12月に譲渡した門真物流センターの譲渡益の一部(533百万円)を圧縮特別勘定積立金積立額として内部留保することとしました。かかる方針により、分配金については、当期未処分利益(買換特例圧縮積立金の取崩額を含みます。)から租税特別措置法第65条の8に定められている圧縮特別勘定積立金積立額533百万円を控除した残額である6,316百万円を利益分配金として分配することとし、この結果、投資口1口当たりの利益分配金は2,300円となりました。
これに加え、本投資法人は投資法人規約に定める分配の方針に従い、原則として毎期継続的に利益を超えた金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行っていくこととしています。しかしながら、当期は、本投資法人において内部留保(買換特例圧縮積立金及び圧縮積立金等)が存在することから、利益を超えた金銭の分配を行いません。
③次期の見通し
(イ)環境認識
日本経済の先行きについては、各国の通商政策等の影響を受けつつも、海外経済が成長経路に復していくもとで、政府の経済対策や緩和的な金融環境にも支えられて、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まることから、緩やかな成長を続けると考えられます。通商政策を巡る不確実性は低下しているものの、これまで打ち出された各国の通商政策が、グローバルな貿易活動や国際金融資本市場への影響などを通じて世界経済を押し下げる可能性には引き続き注意が必要です。また、最近の米国や欧州等における財政拡張的な動きが、世界経済を押し上げる可能性にも留意する必要があります。輸入物価については、通商政策等の影響を受けてグローバルに物流の混乱が生じること等により上昇する可能性があるほか、地政学的な要因や天候要因等により、資源・穀物価格が大幅に変動するリスクもあります。日本においては、人口動態の変化等に伴う人手不足感の強まりから、省力化投資をはじめとした資本と労働の代替の進展が求められる一方、こうした取り組みが滞った場合には成長率の下押し懸念があります。国内外における様々なリスク要因の動向については、引き続き注視していく必要があります。
物流施設の賃貸市場では、首都圏において、2021年1月以降上昇傾向にあった空室率が新規供給ペースの落ち着きにより反転しており、需給は改善傾向にあります。近畿圏においては、臨海部、内陸部とも安定的な需要がみられ、今後も堅調な賃貸市況が続く見通しです。中部圏においては、2026年上半期に新規供給が集中する見込みであり、空室率は一旦上昇する見通しとなっています。九州圏においては、2026年の新規供給が2025年を上回る水準になることが見込まれるなか、今後の需給バランスは緩やかに緩和に向かう見込みです。
物流施設の売買市場では、世界的に見て相対的に大きいイールドギャップの存在や物流施設のキャッシュ・フローにおけるディフェンシブ性に注目する投資家の需要を背景に、依然として厳しい取得環境が継続すると考えられます。
本投資法人は、インフレや金利上昇等のコスト増が継続する中、軟調に推移する本投資法人の投資口価格の水準を改善することを引き続き課題として認識しています。この課題に対し、1口当たり分配金の持続性及びポートフォリオの利益成長に対する信認を高めるため、1口当たり分配金2,150円以上の継続に加え、1口当たりFFO年率+2.2%以上の成長目標を掲げています。これらの目標達成に向けて、賃料増額の推進と金利上昇・インフレ等によるコスト増を抑制することに加えて、本投資法人の豊富な含み益を活用した継続的な物件売却とそれによって獲得した資金を再投資に充てることで、ポートフォリオから生まれるキャッシュ・フローの成長を図ります。これにより、1口当たり分配金の成長、ひいては投資口価格の向上を目指します。
(ロ)今後の運用方針及び対処すべき課題
このような投資環境の中、本投資法人は以下の方針に基づき、中長期的な安定収益の確保を目指した運用を行う方針です。
a. 保有不動産の運営管理
・賃貸運営管理
賃貸借契約の更改に際しては、収益の安定化と向上を意識した運営に努めています。収益の安定化については長期間の賃貸借契約の締結、収益の向上については市場環境やテナント状況を踏まえた賃料交渉を推進します。既存テナントが退去する場合には、収益性の維持を念頭に置いた上で、切れ目なく賃貸を継続できるよう、スポンサー、各地域の物流施設・テナント情報に精通した仲介会社及び本資産運用会社独自のネットワークを活用し、上記方針に沿ったリーシング活動を行います。
なお、本投資法人が当期末現在保有する物流施設の残存賃貸借契約年数は、年間契約賃料で加重平均して算出すると5.2年であり、引き続き安定した収益が期待されます。
・テナントリレーションの強化
既存テナントとのコミュニケーションを密に行うことにより、テナントの総合的な満足度の向上を図ります。具体的には、既存物流施設における増床・改良ニーズに対応することや、テナントニーズ・業界トレンドに対応した機能向上及びリニューアルを適宜行うことが挙げられます。
・適切な維持管理・追加投資
保有物件の修繕・更新工事の実施に際しては、工事費用の平準化に留意してこれを行います。適切なプロパティ・マネジメント会社を選定し、各物件の特性に合った効率的な運用管理を行うことや、本資産運用会社における維持管理の質を高め、各種手続きの標準化を進めることで保有不動産の維持管理最適化を目指します。
更に、本投資法人では、テナントの要請、施設の賃貸借ニーズ、容積率の消化状況等を踏まえ、賃貸マーケットにおいて立地優位性があり、建物・設備更新により競争力向上が見込まれる場合や、経年劣化に伴い維持管理コスト負担が経済合理性に見合わないと判断される場合、必要に応じてOBR(Own Book Redevelopment)(注)又は物件の売却/入替を行うことも検討します。
(注)OBRとは、“Own Book Redevelopment”の略であり、投資法人が保有する物件を本投資法人自ら再開発することをいいます。再開発とは、本投資法人が保有する土地上に存在する建物を取り壊した上で、当該土地上に本投資法人が新たに建物を建てる行為(本投資法人が建設会社等と協同し、建設会社等が本投資法人が保有する土地上に新たに建物を建て、その後、当該建設会社等から当該建物が竣工後の任意の時期に取得する行為を含みます。)をいいます。
b. 新規物件の取得
・物件情報の収集活動
物流施設は、他の収益不動産と比較して流通量が相対的に少ないため、広範な情報収集とそれに基づく的確な投資判断が競争優位性を生み出すものと本投資法人は考えています。可能な限り競合他社との価格競争を避けるため、スポンサー等の幅広いネットワーク及び本資産運用会社独自の情報ルートを活用した物件情報の早期入手や相対取引の促進に努める方針です。
・取得物件のスペック
物件取得に際しては、物流施設の長期安定運用に不可欠な要素である立地及び施設の汎用性を重視して投資判断を行います。とりわけ、特定業種テナントの使用にのみ対応可能な特殊な施設構造・設備を有する物件の取得は原則として避け、広範な物流需要に対応できる汎用的な施設仕様を有することを重要な判断基準とします。
・ポートフォリオの分散
テナントからの賃料減額要請や施設からの退去等による収益変動を最小化するため、1テナントへの依存度合いやテナントの属する業種、各テナントの賃貸借期限の分散等を意識し、保有ポートフォリオにおけるテナント集中化リスクの低減につながる物件取得を図ります。
c. 財務戦略
1口当たり分配金の安定と成長を最優先に、保守的な有利子負債比率の維持に留意しつつ、金融機関からの借入れ・公募増資等の財務活動を行っていきます。有利子負債による調達にあたっては資金調達先や返済期限の分散に配慮した対応を行う方針です。公募増資においては1口当たり分配金や1口当たりNAVの成長等、投資主価値の向上に配慮して検討する方針です。また、敷金及び保証金についても、物件の取得資金の一部として活用する等、効率的なキャッシュ・マネジメントを行う方針です。
更に、本投資法人は、資本効率の向上及び投資主還元のため、資本政策の一環として自己の投資口の取得及び消却を行うことを必要に応じて検討していきます。
④決算後に生じた重要な事実
該当事項はありません。
≪参考情報≫
本投資法人は、決算日後、本書の日付現在に至るまでの間に、以下の交換取引の一部を完了しています。
<資産の交換>
資産の取得
[M-43 船橋西浦物流センターⅢ]
取得(予定)資産
不動産信託受益権
① 準共有持分33%
② 準共有持分33%
③ 準共有持分34%
取得(予定)価格
① 5,181百万円
② 5,181百万円
③ 5,338百万円
取得(予定)時期
① 2026年2月2日
② 2026年8月3日
③ 2027年2月1日
所在地
千葉県船橋市西浦三丁目6番1号他
用途
倉庫
敷地面積
30,372.00㎡(注)
延床面積
58,504.55㎡(注)
構造
鉄筋コンクリート・鉄骨造合金メッキ鋼板ぶき5階建他
建築時期
2007年4月23日他
所有形態
土地:所有権 建物:所有権
(注)いずれも本物件全体について記載しています。
資産の譲渡
[M-18 市川物流センターⅡ]
譲渡(予定)資産
不動産信託受益権(準共有持分54%)
① 準共有持分18%
② 準共有持分18%
③ 準共有持分18%
譲渡(予定)価格
① 4,960百万円
② 4,960百万円
③ 4,960百万円
契約日
2025年1月16日
譲渡(予定)日
① 2026年2月2日
② 2026年8月3日
③ 2027年2月1日
譲渡先
日本プロロジスリート投資法人
損益に及ぼす影響
第42期(自 2026年2月1日 至 2026年7月31日)において、法人税法(昭和40年法律第34号。その後の改正を含みます。)(以下「法人税法」といいます。)第50条の「交換により取得した資産の圧縮額の損金算入」の規定を適用し、不動産等譲渡対価と不動産等譲渡原価の差額を活用して圧縮記帳を行う予定です。また、市川物流センターⅡの土地売却に伴い、買換特例圧縮積立金の取崩しが発生する見込みです。その結果、不動産等交換差益670百万円を計上、買換特例圧縮積立金443百万円を取崩し、分配金の支払原資とする予定です。
第43期(自 2026年8月1日 至 2027年1月31日)において、法人税法第50条の「交換により取得した資産の圧縮額の損金算入」の規定を適用し、不動産等譲渡対価と不動産等譲渡原価の差額を活用して圧縮記帳を行う予定です。また、市川物流センターⅡの土地売却に伴い、買換特例圧縮積立金の取崩しが発生する見込みです。その結果、不動産等交換差益579百万円を計上、買換特例圧縮積立金443百万円を取崩し、分配金の支払原資とする予定です。
<資産の取得>
本投資法人は、決算日後、本書の日付現在に至るまでの間に、以下の資産を取得しました。
[T-17 鳥栖物流センター]
取得資産
不動産信託受益権
取得価格
751百万円
取得時期
2026年3月23日
所在地
佐賀県鳥栖市姫方町字蓮原1628番
用途
倉庫・事務所
敷地面積
8,057.93㎡
延床面積
3,606.03㎡
構造
鉄筋コンクリート造合金メッキ鋼板ぶき2階建
建築時期
2008年5月28日
所有形態
土地:所有権 建物:所有権
[M-45 横浜鳥浜町(底地)]
取得資産
不動産信託受益権
取得価格
1,650百万円
取得時期
2026年3月23日
所在地
神奈川県横浜市金沢区鳥浜町11番2
用途
-
敷地面積
9,921.05㎡
所有形態
土地:所有権
<資金の借入れ>
本投資法人は、決算日後、本書の日付現在に至るまでの間に、以下の資金の借入れを行っています。
借入先
株式会社千葉銀行
三井住友信託銀行
株式会社
株式会社
三菱UFJ銀行
株式会社
三井住友銀行
借入金額
1,000百万円
820百万円
400百万円
400百万円
調達金利
全銀協1か月日本円TIBOR(注1)+0.180%
全銀協1か月日本円TIBOR(注1)+0.260%
全銀協1か月日本円TIBOR(注1)+0.260%
全銀協1か月日本円TIBOR(注1)+0.250%
借入日
2026年2月2日
返済期日
2033年1月31日
2026年3月23日
借入方法・
担保の有無
無担保・無保証
返済方法
期日一括返済
資金使途
借入金の返済資金への充当
交換資金の一部に充当及び借入金の返済資金への充当
借入先
株式会社
三井住友銀行
株式会社
三井住友銀行
株式会社
三井住友銀行
借入金額
2,000百万円
2,000百万円
2,000百万円
調達金利
2.50988%
全銀協1か月日本円TIBOR(注1)+0.36375%
全銀協1か月日本円TIBOR(注1)+0.39000%
借入日
2026年2月27日
返済期日
2031年8月31日
2034年2月28日
2035年2月28日
借入方法・
担保の有無
無担保・無保証
返済方法
期日一括返済
資金使途
借入金の返済資金への充当
借入先
株式会社
りそな銀行
(グリーンローン)
農林中央金庫
株式会社
福岡銀行
株式会社
SBI新生銀行
借入金額
1,000百万円
1,000百万円
1,000百万円
1,000百万円
調達金利
基準金利(注2)+0.30%
2.60776%
全銀協1か月日本円TIBOR(注1)+0.22%
2.59120%
借入日
2026年3月23日
返済期日
2031年8月31日
2033年2月28日
2036年2月29日
借入方法・
担保の有無
無担保・無保証
返済方法
期日一括返済
資金使途
物件取得資金の一部に充当及び借入金の返済資金への充当
資金充当対象
石狩物流センター
-
(注1)全銀協日本円TIBORについては、一般社団法人全銀協TIBOR運営機関のホームページ(http://www.jbatibor.or.jp/rate/)でご確認下さい。
(注2)「気候変動対応オペ(※)にかかる対象投融資に関する基準及び適合性の判断のための具体的な手続きの開示」で開示している対象投融資の基準(以下、適用基準)に本件が該当すると判断しており、日本銀行から気候変動オペによる資金供給を受ける予定です。そのため、当該貸付金利は気候変動オペの基本要領等にて規定される貸付利率を基準金利としています。なお、貸出期間の途中に適用基準の一部又は全部に不適合となった場合、又は日本銀行が気候変動オペを廃止しレート提示を行わなくなった場合、以降の貸付利率は、その直前の利息計算期間に係る利払日の2営業日前の時点における一般社団法人全銀協TIBOR運営機関が公表する6か月日本円TIBORを基準金利とします。
※「気候変動対応オペ」とは日本銀行が行う気候変動対応を支援するための資金供給オペレーションを意味します。以下同じです。
<投資主総会の開催>
本投資法人は、2026年4月23日に第16回投資主総会を開催し、同投資主総会において、規約一部変更、執行役員1名の選任(候補者:現執行役員であり、本資産運用会社の代表取締役社長である鈴木靖一)、補欠執行役員2名の選任(候補者:現補欠執行役員であり、本資産運用会社の取締役総務部長である関口亮太、資産運用会社の取締役投資運用部長である吉川智司)並びに監督役員2名の選任(候補者:現監督役員である大井素美及び鴨下香苗)が承認可決されました。
<フォワード・コミットメント等の解消及び優先交渉権の取得>
昨今の金融市場環境の変動性(ボラティリティ)が高まっている状況を踏まえ、取得時期の柔軟化を企図して、本投資法人は2026年2月20日付でブリッジャーであるリコーリース株式会社(以下「リコーリース」といいます。)との間で2026年4月2日までを取得期限とする尼崎物流センターの取得に関する信託受益権売買契約書を解消し、ブリッジャーをリコーリースから三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社(以下「TPFC」といいます。)に交代しました。その上で、2026年2月27日付でTPFCから、尼崎物流センターの取得に関する優先交渉権(取得期限:2029年2月26日)を取得し、取得の柔軟性確保を図ります。
<運用ガイドラインの変更>
本資産運用会社は、2026年4月23日付で以下のとおり運用ガイドラインを変更しました。
1.変更の内容及び理由
2026年4月23日開催の本投資法人の第16回投資主総会において、本投資法人のより柔軟・多様な投資機会及び投資主価値の向上に資する資産の取得機会の拡大を図るため、本投資法人の投資対象である「不動産関連資産」に、資産の2分の1を超える額を不動産等資産に直接又は間接的に投資することを目的とする投資事業有限責任組合契約に基づく権利及び不動産関連ローン等金銭債権等の資産を追加すること等を含む本投資法人の規約の一部変更に係る議案が承認可決されました。
これに合わせて、資産運用会社において、2026年4月23日付で、本投資法人の運用の方針等について定めた資産運用会社の運用ガイドラインについて、本投資法人におけるポートフォリオ構築方針の一部変更に加えて、投資事業有限責任組合契約に基づく権利及び不動産関連ローン等金銭債権等を含む不動産対応資産の取得における確認事項等について新たに規定を設けること等を内容とする変更を行いました。
2.その他
本件について、2026年4月23日付で関東財務局長に臨時報告書を提出しています。