大和証券オフィス投資法人

1部 ファンド情報

1章 ファンドの状況

1. 投資法人の概況

1) 主要な経営指標等の推移

  • (1)【主要な経営指標等の推移】

    ① 主要な経営指標等の推移

     

    期別

    第32期

    第33期

    第34期

    第35期

    第36期

    第37期

    第38期

    第39期

    第40期

    第41期

    決算年月

    2021年

    11月

    2022年

    5月

    2022年

    11月

    2023年

    5月

    2023年

    11月

    2024年

    5月

    2024年

    11月

    2025年

    5月

    2025年

    11月

    2026年

    5月

    (1)営業成績

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    営業収益

    百万円

    13,882

    14,474

    13,891

    15,050

    13,646

    13,570

    15,215

    15,208

    16,056

    16,511

    うち賃貸事業収入

    百万円

    13,846

    13,560

    13,836

    13,503

    13,604

    13,562

    13,993

    14,256

    14,758

    14,911

    営業費用

    百万円

    6,531

    6,551

    6,828

    7,384

    6,898

    6,698

    7,242

    7,286

    7,462

    7,308

    うち賃貸事業費用

    百万円

    5,146

    5,143

    5,453

    5,987

    5,559

    5,348

    5,802

    5,853

    5,982

    5,794

    営業利益

    百万円

    7,351

    7,923

    7,062

    7,665

    6,747

    6,871

    7,973

    7,921

    8,593

    9,203

    経常利益

    百万円

    6,784

    7,493

    6,494

    7,100

    6,151

    6,215

    7,164

    6,950

    7,497

    7,916

    当期純利益

    百万円

    6,799

    7,493

    6,512

    7,099

    6,192

    6,214

    7,163

    6,949

    7,496

    7,916

    (2)財産等の状況(期末日現在)

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    総資産額

    百万円

    483,279

    483,461

    481,049

    482,471

    482,200

    488,526

    491,237

    491,803

    488,321

    510,878

    有利子負債額

    百万円

    202,350

    205,800

    205,800

    207,800

    207,800

    214,400

    219,400

    219,450

    217,950

    239,250

    純資産額

    百万円

    253,637

    250,538

    247,491

    247,849

    247,523

    247,342

    244,968

    244,417

    242,491

    243,166

    出資総額(純額)

    (注1)

    百万円

    245,093

    241,093

    238,093

    238,093

    238,093

    238,093

    235,094

    234,094

    231,094

    231,094

    (3)分配の状況

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    分配総額

    百万円

    6,833

    6,755

    6,552

    6,552

    6,552

    6,552

    6,549

    6,526

    7,496

    7,132

    配当性向

    100.5

    90.2

    100.6

    92.3

    105.8

    105.4

    91.4

    93.9

    100.0

    90.1

    (4)1口当たり情報

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    発行済投資口の総口数

    488,088

    482,529

    478,258

    478,258

    478,258

    478,258

    946,439

    943,155

    934,745

    934,745

    1口当たり純資産額

    (注2)

    519,655

    519,220

    517,484

    518,232

    258,775

    258,587

    258,831

    259,148

    259,419

    260,142

    1口当たり分配金額

    14,000

    14,000

    13,700

    13,700

    13,700

    13,700

    6,920

    6,920

    8,020

    7,630

    うち1口当たり利益分配金

    14,000

    14,000

    13,700

    13,700

    13,700

    13,700

    6,920

    6,920

    8,020

    7,630

    うち1口当たり利益超過分配金

     

     

    期別

    第32期

    第33期

    第34期

    第35期

    第36期

    第37期

    第38期

    第39期

    第40期

    第41期

    決算年月

    2021年

    11月

    2022年

    5月

    2022年

    11月

    2023年

    5月

    2023年

    11月

    2024年

    5月

    2024年

    11月

    2025年

    5月

    2025年

    11月

    2026年

    5月

    (5)財務指標

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    総資産経常利益率

    (注3、4)

    1.4(2.8)

    1.6(3.1)

    1.3(2.7)

    1.5(3.0)

    1.3(2.5)

    1.3(2.6)

    1.5(2.9)

    1.4(2.8)

    1.5(3.1)

    1.6(3.2)

    自己資本利益率

    (注4、5)

    2.7(5.3)

    3.0(6.0)

    2.6(5.2)

    2.9(5.7)

    2.5(5.0)

    2.5(5.0)

    2.9(5.8)

    2.8(5.7)

    3.1(6.1)

    3.3(6.5)

    1口当たり当期純利益

    (注2、6)

    13,930

    15,443

    13,561

    14,845

    6,473

    6,496

    7,545

    7,348

    7,996

    8,468

    期末自己資本比率

    52.5

    51.8

    51.4

    51.4

    51.3

    50.6

    49.9

    49.7

    49.7

    47.6

    期末総資産有利子負債比率

    41.9

    42.6

    42.8

    43.1

    43.1

    43.9

    44.7

    44.6

    44.6

    46.8

    賃貸キャッシュ・フロー

    (NOI)

    (注7)

    百万円

    10,508

    10,200

    10,171

    9,313

    9,832

    10,037

    10,113

    10,288

    10,655

    11,034

    (6)その他参考情報

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    投資物件数

    60

    59

    59

    58

    58

    59

    59

    59

    58

    58

    テナント数

    (注8)

    641

    635

    639

    642

    643

    667

    674

    673

    668

    666

    総賃貸可能面積

    361,534.74

    356,122.21

    359,705.62

    357,214.34

    357,215.08

    360,981.39

    366,992.46

    364,468.07

    360,119.82

    365,092.05

    期末稼働率

    (注9)

    97.8

    98.4

    97.4

    97.7

    97.7

    97.0

    97.7

    98.1

    98.9

    99.1

    当期減価償却費

    百万円

    1,808

    1,783

    1,788

    1,797

    1,787

    1,823

    1,922

    1,886

    1,879

    1,917

    当期資本的支出額

    百万円

    498

    856

    798

    1,116

    994

    964

    980

    1,098

    1,500

    1,364

    (注1)出資総額から出資総額控除額を差し引いた金額を記載しています。

    (注2)2024年5月31日を分割の基準日とし、2024年6月1日を効力発生日として、投資口1口につき2口の割合による投資口の分割を行いました。1口当たり純資産額及び1口当たり当期純利益については、第36期期首に当該投資口の分割が行われたと仮定して算定しています。

    (注3)総資産経常利益率=経常利益÷{(期首総資産額+期末総資産額)÷2}×100

    (注4)括弧内の数値は、年換算値を記載しています。なお、運用日数については、第32期は183日により、第33期は182日により、第34期は183日により、第35期は182日により、第36期、第37期及び第38期は183日により、第39期は182日により、第40期は183日により、第41期は182日により算出しています。

    (注5)自己資本利益率=当期純利益÷{(期首純資産額+期末純資産額)÷2}×100

    (注6)1口当たり当期純利益は、次の期中平均投資口数により算出しています。
    第32期 488,088口、第33期 485,190口、第34期 480,206口、第35期 478,258口、第36期 956,516口(上記(注2)参照)、第37期 956,516口(上記(注2)参照)、第38期 949,417口、第39期 945,736口、第40期 937,471口、第41期 934,745口

    (注7)賃貸キャッシュ・フロー(NOI)=賃貸事業収入-賃貸事業費用+当期減価償却費

    (注8)テナント数は、エンドテナントの数を記載しています。エンドテナントとは、事務所、店舗、住居及び倉庫に実際に入居している賃借人をいい、駐車場利用者は含みません(以下、別段の記載がない限り、本書において同じです。)。なお、複数の建物にまたがって入居しているテナントについては、それぞれの建物毎に集計し、記載しています。

    (注9)期末稼働率=総賃貸面積÷総賃貸可能面積×100

    なお、小数第2位以下を切り捨てて記載しています。

    (注10)上記の表中特段の記載のない限り、記載未満の数値について、金額は切り捨て、比率は四捨五入して記載しています。

     

    ② 当期の資産運用の経過

    (イ)本投資法人の主な推移

    大和証券オフィス投資法人(旧 DAオフィス投資法人。以下「本投資法人」といいます。)は、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。その後の改正を含みます。以下「投信法」といいます。)に基づき、大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社(旧株式会社ダヴィンチ・セレクト。以下「資産運用会社」といいます。)を設立企画人として2005年7月11日に設立され、その後、2005年10月18日に公募による投資口の追加発行(99,600口)を実施し、翌日、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)不動産投資信託証券市場へ上場(銘柄コード8976)しました。

    上場時の合計取得金額は79,573百万円でしたが、物件の追加取得及びポートフォリオの入替え等により、2026年5月末日現在で487,709百万円(匿名組合出資持分は含みません。)となっております。

    本投資法人は、投資対象資産をオフィスビルに特化し、中でも東京都心に所在する概ね延床面積が2,000㎡以上のオフィスビルに重点を置いた明快なポートフォリオ構築方針の下、テナント満足度向上に努めることにより、将来にわたる安定的な収益の獲得と投資資産の持続的な成長を目指します。

     

    (ロ)投資環境と運用実績

    a.投資環境

    当期のわが国の経済は、2026年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比プラス0.5%となり、2四半期連続のプラス成長となりました。内需は、所得環境の改善などを背景とした個人消費の増加に加え、住宅投資や公共投資も増加しました。一方、外需については、インバウンド消費の落ち込みが一部下押し要因となったものの、自動車輸出の持ち直しなどにより総じてプラスとなりました。これらの結果、内需・外需ともに成長を下支えし、全体としてプラス成長が維持されました。

    東京都心部のオフィスビル賃貸市場は、平均空室率が2025年8月に2020年7月以来の2%台まで低下し、2026年5月末時点で2.07%となっています(三鬼商事株式会社公表の東京都心5区平均空室率)。企業による人材確保等を目的としたオフィス環境の改善需要を背景に、需給は引き締まった状態が続いており、賃料水準も上昇基調で推移しております。

    一方、オフィスビル売買市場については、オフィス市況が堅調に推移する中、国内外の投資家によるオフィスビルへの投資意欲は底堅く推移していますが、今後の動向には注視が必要です。

     

    b.運用実績

    当期において、本投資法人は、巡航EPS(物件売却益を控除したEPS(1口当たり当期純利益)をいいます。)を中長期にわたり成長させるため、物件の取得により収益の向上を目指す「外部成長」及び既存物件の利益の最大化を目指す「内部成長」に引き続き取組みました。

    外部成長においては、2026年3月に「浜松町PREX」(取得価格7,150百万円)及び「プライム千駄ヶ谷ビル」(取得価格19,400百万円)を取得しました。また、2026年3月に「Daiwa麻布台ビル」(譲渡価格2,240百万円)を譲渡したほか、2025年10月に2期(2025年11月期(第40期)、当期)にわたっての譲渡を決定した「Daiwa猿楽町ビル」について、2026年5月に不動産信託受益権の準共有持分50%(譲渡価格2,550百万円)の譲渡を実施しています。これにより、当期末(2026年5月31日現在)における本投資法人の運用資産は、物件総数58物件(取得価格合計487,709百万円(匿名組合出資持分は含みません。))及び匿名組合出資持分1件(取得価格3,746百万円)となりました。

    内部成長においては、既存テナントとのリレーション強化による内部増床ニーズの取込み、賃貸仲介会社及びプロパティ・マネジメント会社との連携強化等、積極的なリーシングを実施しました。これにより、当期末(2026年5月31日現在)の稼働率は99.1%となりました。

     

    (ハ)資金調達の概要

    a.借入金返済資金の調達

    本投資法人は、当期において、新規物件の取得資金等及び借入金返済資金に充当するため、以下の借入れを行いました。

    (ⅰ)2026年2月27日に返済期限が到来した三井住友信託銀行株式会社からの借入金5,000百万円の返済資金として、同日に同行より同額の借入れを行いました。

    (ⅱ)2026年3月27日に取得した新規物件「浜松町PREX」の取得資金等として、同日に株式会社三井住友銀行から5,000百万円の借入れを行いました。

    (ⅲ)2026年3月31日に株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社SBI新生銀行、株式会社りそな銀行、農林中央金庫、株式会社あおぞら銀行及び株式会社群馬銀行から総額19,500百万円の借入れを行い、以下の資金に充当しました。

    ・同日に返済期限が到来した株式会社みずほ銀行及び株式会社群馬銀行からの総額3,000百万円の借入金の返済資金。

    ・同日に取得した新規物件「プライム千駄ヶ谷ビル」の取得資金等。

    (ⅳ)2026年5月29日に返済期限が到来した株式会社SBI新生銀行、農林中央金庫、株式会社武蔵野銀行及び株式会社百五銀行からの借入金総額5,500百万円の返済資金として、同日に同行、同金庫より同額の借入れを行いました。

     

    なお、当期中において、14,000百万円の変動金利借入金に対し、将来の金利上昇リスクをヘッジするために支払金利を固定化する金利スワップ契約を締結しました。

     

    b.当期末の有利子負債の状況

    上記の結果、当期末(2026年5月31日現在)の有利子負債残高は総額239,250百万円(短期借入金5,500百万円、長期借入金226,250百万円及び投資法人債7,500百万円)となりました。長期借入金のうち1年以内に返済期限が到来するものが20,200百万円あります。

    当期末における有利子負債の平均残存期間は4.0年となりました。

     

     当期中の借入一覧

    借入先

    借入金額

    (百万円)

    借入日

    返済期限

    借入期間

    (年)

    三井住友信託銀行株式会社

    1,000

    2026年2月27日

    2032年2月27日

    6.0

    三井住友信託銀行株式会社

    2,000

    2026年2月27日

    2031年2月28日

    5.0

    三井住友信託銀行株式会社

    2,000

    2026年2月27日

    2030年2月28日

    4.0

    株式会社三井住友銀行

    2,000

    2026年3月27日

    2034年2月28日

    7.9

    株式会社三井住友銀行

    1,500

    2026年3月27日

    2033年8月31日

    7.4

    株式会社三井住友銀行

    1,500

    2026年3月27日

    2033年2月28日

    6.9

    株式会社みずほ銀行

    2,000

    2026年3月31日

    2034年2月28日

    7.9

    農林中央金庫

    1,000

    2026年3月31日

    2034年2月28日

    7.9

    株式会社みずほ銀行

    1,000

    2026年3月31日

    2033年8月31日

    7.4

    株式会社群馬銀行

    1,000

    2026年3月31日

    2033年3月31日

    7.0

    株式会社SBI新生銀行

    1,500

    2026年3月31日

    2033年2月28日

    6.9

    株式会社みずほ銀行

    1,000

    2026年3月31日

    2033年2月28日

    6.9

    株式会社あおぞら銀行

    1,000

    2026年3月31日

    2033年2月28日

    6.9

    株式会社りそな銀行

    1,500

    2026年3月31日

    2032年8月31日

    6.4

    株式会社あおぞら銀行

    1,000

    2026年3月31日

    2032年8月31日

    6.4

    三井住友信託銀行株式会社

    1,000

    2026年3月31日

    2032年3月31日

    6.0

    株式会社三菱UFJ銀行

    2,000

    2026年3月31日

    2031年8月29日

    5.4

    株式会社三井住友銀行

    5,500

    2026年3月31日

    2027年3月31日

    1.0

    株式会社SBI新生銀行

    1,000

    2026年5月29日

    2033年5月31日

    7.0

    株式会社武蔵野銀行

    500

    2026年5月29日

    2031年5月30日

    5.0

    株式会社百五銀行

    1,000

    2026年5月29日

    2030年11月29日

    4.5

    農林中央金庫

    2,000

    2026年5月29日

    2030年5月31日

    4.0

    株式会社SBI新生銀行

    1,000

    2026年5月29日

    2029年5月31日

    3.0

     

     

     なお、当期末(2026年5月31日現在)の金融機関毎の借入残高は以下のとおりです。

    借入先

    当期末(百万円)

    比率(%)(注)

    株式会社三井住友銀行

    56,100

    24.21

    三井住友信託銀行株式会社

    27,950

    12.06

    株式会社日本政策投資銀行

    21,750

    9.39

    株式会社みずほ銀行

    21,400

    9.23

    株式会社三菱UFJ銀行

    21,000

    9.06

    株式会社SBI新生銀行

    17,450

    7.53

    株式会社りそな銀行

    14,000

    6.04

    みずほ信託銀行株式会社

    9,500

    4.10

    株式会社福岡銀行

    6,500

    2.80

    株式会社関西みらい銀行

    5,000

    2.16

    農林中央金庫

    4,000

    1.73

    株式会社西日本シティ銀行

    3,000

    1.29

    株式会社七十七銀行

    3,000

    1.29

    三菱UFJ信託銀行株式会社(信託口)

    3,000

    1.29

    株式会社あおぞら銀行

    3,000

    1.29

    株式会社群馬銀行

    2,500

    1.08

    株式会社武蔵野銀行

    2,000

    0.86

    東京海上日動火災保険株式会社

    2,000

    0.86

    株式会社山口銀行

    2,000

    0.86

    日本生命保険相互会社

    1,300

    0.56

    株式会社百五銀行

    1,000

    0.43

    株式会社山梨中央銀行

    1,000

    0.43

    株式会社もみじ銀行

    1,000

    0.43

    株式会社山形銀行

    1,000

    0.43

    株式会社第四北越銀行

    1,000

    0.43

    太陽生命保険株式会社

    300

    0.13

    合 計

    231,750

    100.00

    (注)比率は小数第3位を四捨五入して記載しています。

     

    c.格付の状況

    当期末(2026年5月31日現在)における本投資法人の格付の状況は、以下のとおりです。

    信用格付業者

    格付内容

    格付の方向性/見通し

    株式会社格付投資情報センター

    AA-

    安定的

    株式会社日本格付研究所

    AA

    安定的

    (注)株式会社格付投資情報センターの発行体格付については、格付の維持に伴う効果及び費用等を総合的に勘案した結果、2026年7月24日付で取下げを依頼しております。

     

     

    (ニ)サステナビリティに関する取組み

     本投資法人は、資産運用に当たりESGを重視することが中長期的な投資法人の企業価値向上に資するという認識のもと、様々なサステナビリティ課題の変化や多様化するステークホルダーのニーズを踏まえながら、組織的にサステナビリティへの取組みを推進しています。

     環境への取組みとしては、気候変動問題を重要課題と認識し、脱炭素社会への貢献は社会使命であると考えています。TCFD提言に基づき、気候変動に関するリスクと機会の特定と分析を行い、外部ステークホルダーとの積極的な会話を通じて社会のニーズや資産運用会社への期待を把握しながら環境負荷の低減を進めています。数値目標としてGHG排出量(Scope1+2)を2030年までに42%削減(2023年基準、SBT認定)、GHG排出量(Scope3)を2030年までに25%削減(2023年基準、SBT認定)、CO排出量を2050年までに実質ゼロにする、及び水消費量原単位の水準維持を設定しています。省エネ性能の高いLED等の設置導入、節水においては雨水・中水の利用、節水機能の高い設備への交換など限りある資源の有効活用を通じてポートフォリオにおける環境負荷低減に取組んでいます。また、環境省が策定した環境マネジメントシステムであるエコアクション21の認証・登録を継続し、環境負荷低減に向けた運用・管理体制の強化を図っています。

     社会への取組みとしては、テナント、地域社会、取引先及び投資家を含む幅広いステークホルダーとの建設的な対話を重視しています。保有物件においては、地域イベントの開催、災害時を見据えた防災体制の整備、入居者の利便性向上に資する設備導入等を通じて、テナント満足度の向上と地域社会への貢献に努めています。投資家に対しては、IR活動を通じて積極的な情報開示と説明責任の遂行に努め、国内外の機関投資家との個別ミーティングや説明会等を通じて対話の充実を図っています。また、資産運用会社においては、人権方針に基づく人権尊重の取組みを推進するとともに、役職員の能力向上を目的とした各種研修、資格取得支援等の人材育成施策を通じて、持続的な価値創造を支える組織基盤の強化に取り組んでいます。

     ガバナンスへの取組みとしては、資産運用会社において、利益相反の防止、リスク管理及び法令遵守を徹底しており、投資主利益との連動性を重視し、運用成果に連動した資産運用報酬体系を導入しています。

     ESGに関する第三者評価として、本投資法人は2011年からGRESBリアルエステイト評価に継続的に参加しており、2025年にはESG推進のための方針や組織体制などを評価する「マネジメント・コンポーネント」と保有物件での環境パフォーマンスやテナントとの取組み等を評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者に与えられる「Green Star」評価を14年連続で取得しました。また、総合スコアのグローバル順位により5段階で格付されるGRESBレーティングでの「4スター」評価を取得しました。さらに、ESG情報開示の充実度を測る2025年GRESB開示評価において、環境配慮やサステナビリティの取組みに関する情報開示が優れていることが評価され、5段階のうち最上位の「A」評価を5年連続で取得しました。また、2025年7月には、温室効果ガス排出量削減目標について、SBTiによるSBT認定(注1)を取得しました。2026年5月31日現在における本投資法人が保有する環境認証(注2)取得物件は計37物件、取得比率(保有物件における延床面積ベース)は70.6%となっています。

     

    (注1)SBTとは、パリ協定が求める水準である気温上昇を世界の産業革命前から1.5以内(2℃を十分に下回る)に抑えることを目指す、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のことです。SBT認定は、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、CDP、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4団体が2021年5月13日に設立した国際的イニシアティブ「SBTi(SBTイニシアティブ)」が、企業が設定するSBTが科学的根拠に基づいていることを認定するものです。

    (注2)本投資法人の保有物件が取得している環境認証としては、CASBEE不動産評価認証、DBJ Green Building認証及びBELS認証があります。

     

    (ホ)業績及び分配の概要

    上記の運用の結果、本投資法人の当期の実績は、営業収益16,511百万円、営業利益9,203百万円、経常利益7,916百万円、当期純利益は7,916百万円となりました。

    分配金につきましては、投資法人に係る課税の特例(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15)の適用により、利益分配金相当額が損金算入されることを企図しています。その上で、「特定の資産の買換えの場合の課税の特例」(租税特別措置法第65条の7)の適用による784,219,041円を圧縮積立金とし、当期未処分利益から圧縮積立金繰入額を控除した残額の全額を分配することとし、この結果、投資口1口当たりの分配金を7,630円としました。

     

    ③ 次期の見通し

    (イ)投資環境

    わが国の経済の先行きは、賃上げやボーナスの増額による所得環境の改善、政府による物価高対策などにより緩やかな回復が期待されます。一方で、原油価格や為替、金利など金融市場の変動に加え、米国の通商政策の動向や中国経済の減速、中東・ウクライナ情勢といった地政学リスクなど、海外景気の下振れリスクに引き続き注意する必要があります。

    東京都心部のオフィスビル賃貸市場は、企業による人材確保等を目的としたオフィス環境の改善需要を背景に、需給は引き締まった状態が続いており、賃料水準も上昇基調で推移しております。一方で、金融資本市場の変動、中東情勢の動向及び物価上昇の継続等が、今後の企業のオフィス需要に及ぼす影響については留意が必要です。

    オフィスビル売買市場は、オフィス市況が堅調に推移する中、国内外の投資家によるオフィスビルへの投資意欲は底堅く推移するものと見込まれます。一方で、国内金利の動向をはじめ、国内外の金融政策及び社会・経済情勢の変化が、今後の市場動向に及ぼす影響については留意が必要です。

     

    (ロ)今後の運用方針及び対処すべき課題

    a.既存物件の運用戦略

    オフィス市況のマクロ動向としては、堅調な企業業績や人材獲得競争等を背景としたオフィス移転需要の拡大が続いている一方で、企業による立地・ビルグレード改善のためのオフィス選別が進んでおります。本投資法人においては、中小企業を中心とした底堅い新規需要を着実に獲得できており、エリア毎にマーケット環境を見極め、稼働率の維持・向上や賃料の引き上げに努めてまいります。今後も、働き方や働く場所の多様化に伴い企業毎にオフィスに求めるニーズが変化すると考えられるため、従業員の生産性を高めることができ、時代や環境に応じたニーズに対応できる優良オフィスになるべく建物競争力の維持向上が今後の課題と捉え、引き続き、以下の方針で運営管理をしてまいります。

    (ⅰ)稼働率の維持及び向上

    既存テナントには建物設備、管理のクオリティを向上していくことにより、退去リスクの低減を図ります。また、新規テナントにはマーケットに積極的に介入していくことにより、テナントニーズの把握を強化することで、より満足度の高いサービスを提供し、稼働率の維持及び向上に努めます。

    (ⅱ)収益性の維持及び向上

    既存テナントとの良好な関係を更に強化するとともに、マーケット環境を見極め、新規テナントのニーズを積極的に取り込み、中長期にわたる安定収益の確保を目指します。

    (ⅲ)運営管理コストのコントロール

    積極的な外部成長の実現により得られたスケールメリットを最大限活用した効率的な運営管理の実施や計画工事の精査により、満足度の高いオフィス環境の維持を前提とした運営管理コストのコントロールに努めます。

     

    b.新規物件の投資戦略

    本投資法人は、資産取得の環境や資金調達の状況とのバランスを取りつつ、多様な外部成長戦略により延床面積が概ね2,000㎡以上のオフィスビルに投資を行います。投資対象エリアは、原則として、東京都内を中心に検討を行いますが、地域分散投資の視点で東京都以外の都市においても競争力を有する物件への投資を検討します。

    パイプラインとしては、資産運用会社の独自情報ルートの拡大の他、引き続き、スポンサーグループとの連携を強化し、グループの顧客・取引先網等の広範なネットワークを活用し、不動産売買マーケットの情報を積極的に収集し、投資基準に適合する物件の探索を行ってまいります。

    なお、当期においては、東京都内に所在する「浜松町PREX」及び「プライム千駄ヶ谷ビル」を取得しました。当該取得は、更なるポートフォリオの多様化及び充実に資するものと考えており、今後も上記のような投資戦略に則った物件の取得に努めます。

     

    c.財務戦略

     本投資法人は、下記を基本的な内容とする、規律ある財務運営を行ってまいります。

    (ⅰ)原則として、総資産有利子負債比率は、鑑定評価額ベースの有利子負債比率等も考慮の上、40%から50%を上限の範囲とするレバレッジコントロールを行います。

    (ⅱ)原則として、1決算期間中に返済期日が到来する有利子負債につき300億円を上限の目安とする期日分散を行います。

    (ⅲ)原則として、借入残高に対する長期借入れの比率は70%を下限の目安とします。

    (ⅳ)国内金融機関を中心として、レンダーの多様化を行います。

    (ⅴ)資金管理規程に基づき、支払分配金相当額等の必要資金を運転資金と区分管理することで財務基盤の安定性を維持します。

     

    (ハ)決算後に生じた重要な事実

    a.自己投資口の取得について

    本投資法人は、2026年7月17日開催の役員会において、投信法第80条の5第2項の規定により読み替えて適用される同法第80条の2の規定に基づき、以下のとおり自己投資口取得に係る事項について決定しました。なお、取得した全ての投資口については、2026年11月期中に消却することを予定しています。

     

    (ⅰ)自己投資口の取得を行う理由

    本投資法人の投資口価格の水準、手元資金の状況、財務状況及びマーケット環境等を総合的に勘案し、自己投資口の取得及び消却により資本効率の向上と投資主還元を行うことが、中長期的な投資主価値の向上につながると判断したことによります。

     

    (ⅱ)取得に係る事項の内容

    取得し得る投資口の総数

    7,000口(上限)

    投資口の取得価額の総額

    1,500,000,000円(上限)

    取得期間

    2026年7月21日~2026年11月12日

    取得方法

    証券会社との自己投資口取得に係る取引一任契約に基づく東京証券取引所における市場買付け

     

    b.投資口の分割について

    本投資法人は、2026年7月17日開催の役員会において、下記のとおり、投資口の分割を決議しました。

     

    (ⅰ)本分割の目的

    投資口の投資単位当たりの金額引き下げにより、投資家の皆様がより投資しやすい環境を整え、更なる投資家層の拡大と投資口の流動性の向上を図ることを目的としています。

     

    (ⅱ)本分割の方法

    2026年11月30日を基準日として、同日の最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主の所有する本投資法人の投資口を、1口につき4口の割合をもって分割いたします。

     

    (ⅲ)本分割により増加する投資口数等

    ・本分割前の本投資法人発行済投資口の総口数  :   934,745口(注)

    ・本分割により増加する投資口の総口数     : 2,804,235口(注)

    ・本分割後の本投資法人発行済投資口の総口数  : 3,738,980口(注)

    ・本分割後の本投資法人発行可能投資口の総口数 :16,000,000口

    (注)2026年7月17日時点における本投資法人の発行済投資口の総口数934,745口をもとに記載及び算出していますが、同日付で公表した「自己投資口取得に係る事項の決定に関するお知らせ」にて公表したとおり、本投資法人は2026年7月21日から2026年11月12日を取得期間とする自己投資口の取得を決定しており、取得した自己投資口の全口数を2026年11月期中に消却する予定のため、その消却する投資口の総数により、上記の数値は変更になります。実際の投資口の分割により増加する投資口の総口数等は、消却する投資口の総数の確定後に改めてお知らせします。

     

     

    (ⅳ)本分割の日程

    ・基準日公告日 :2026年11月13日(予定)

    ・基準日    :2026年11月30日(注)

    ・効力発生日  :2026年12月1日

    (注)東京証券取引所における権利付き最終取引日は、2026年11月26日を予定しております。

     

    (ⅴ)1口当たり情報に及ぼす影響

    当該投資口分割が当期首に行われたと仮定した場合の当期における1口当たり情報は、それぞれ以下のとおりとなります。

    ・1口当たり純資産額   :65,035円

    ・1口当たり当期純利益 : 2,117円